#53 ページ10
私が皆の優しい言葉に泣きそうになっていると、入口の方から拍手が聞こえてきた。
ヒソカ「いやぁ、感動しちゃったよ♡」
いや、絶対してないでしょ。
警戒心むき出しの3人を他所に、彼は私の手を引いて「ちょっと彼女を借りるよ。」と言った。
なされるがままに、人気のない部屋へと連れていかれた。
「ヒソカ、どうしたの？」
恐る恐る口にした。
彼は答えることなく、私をまじまじと見つめる。
(何…？めちゃくちゃ見られてる。)
暫くすると、彼は口を開いた。
ヒソカ「何だ、腕以外は無事そうだね♤」
もしかして心配してくれてるの？
「心配してくれてるの？」と尋ねると、彼は「秘密」と妖艶に答えた。
ヒソカ「これからイルミの弟の所へ向かうのかい？」
「うん、その予定。」
ふーん と興味無さ気に言うヒソカは、私達を止める気はなさそうだった。
イルミと仲良さそうだったのに意外だなぁ と不思議に思う。
「止めないの？」
ヒソカ「君が悲しむことはしたくないからね♢」
ふーん と今度は私が興味無さそうに返した。
ヒソカ「いつまでお友達と旅を続ける気だい？」
「ヤツらに見つかるまでかな。」
ヒソカ「意外だねぇ、君ならずっとついて行くのかと思ったよ♣」
さっきまで悩んでいた事を指摘されて驚き、思わず目を伏せた。
彼は、私の本心を見透かしているかのように、ニヤリと笑った。
「本当はずっとついて行きたいけど、人質の私が一緒に居たらきっと迷惑かけちゃうから。」
ヒソカ「自分で言って悲しくないのかい？」
「皆とずっと一緒に居られないのは悲しいけど、皆に迷惑かけるのはもっと悲しいから。」
ヒソカ「＿＿そうか、彼らと一緒に居られないと、君は悲しいのか。」
「うん？」
彼は「そうかそうか…。」と納得したように二三度頷いた。
その言動の意味を理解出来ずに、私は怪訝な目で彼を見つめた。
ヒソカ「分かったよ、じゃあまたどこかで会おう♡」
「あ、うん。またね、ヒソカ。」
ポンポンと私の頭を軽く叩くと、彼は窓から飛び降りて行った。
(…ここ三階なんだけど大丈夫かな。)
残された香水の甘い香りに、ひとり首を傾げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユーハ(プロフ) - 凄く良いですよね！私も大好きです。 (2020年11月7日 20時) (
レス) id: b943d98333 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ユーハさん» コメントありがとうございます。はい、旧ハンターの声優さん達が大好きなので入れちゃいました(^^) (2020年11月6日 20時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
ユーハ(プロフ) - HUNTERHUNTERの舞台の話も入れてるんですね！とっても楽しいです。体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: b943d98333 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます(^^) ご期待に添えますように頑張りますね！ (2019年8月20日 3時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月20日 0時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年8月16日 17時
