#73 ページ30
イルミから逃げて中庭に出ると、岩壁に見慣れた人影がひとつ。背後から出て驚かそうと思ったけども、難しそうに考え事をしているようだったから我慢してあげた。
クラピカ「あぁ、Aか。」
寄ってくる足音に気付き、彼は微笑みを向けてくれる。やっぱり女の子にしか見えないというのは心に留めておくことにする。
「何か考え事してたでしょ。」
クラピカ「少しな。」
切なげに彼は空を見上げた。
私もつられて顔を上に向けてみる。
広がっていたのはあまりにも綺麗な夜空で、「うわぁ…」と思わず感嘆の息を漏らした。
クラピカ「ははは、星空が綺麗で驚いたんだろ。」
「バレた？あんまり外の世界を見たことないからさ。」
「バレバレだ。」と彼は笑った。ひとしきり笑った後に、彼はまた難しそうな顔をして空を見上げた。
クラピカ「…緋の目を集めること、旅団に復讐を果たすこと。
それだけを考えていたし、それが人生に報いを与えてくれると信じてきた。
＿＿でも、お前達と居るとそれだけじゃないんだと思えるよ。」
「そっかぁ。」
初めて会った時、クラピカはとっても取っ付きにくそうで まさに冷静沈着だったけど、ここ最近の彼は素の姿を見せてくれているような感じがする。
確かに彼にとって 私達との出会いは大きな転機をもたらしたのかもしれない。
それ以上彼は何も言わなかったけど、例えその言葉が気まぐれだったとしても、私の心がとても暖かくなっていたのは事実だ。
「私もね、未来とか人生だとかに希望なんて抱いたこと無かったよ。でも皆と出会って、初めて明日を迎えるのが楽しみになった。」
クラピカ「思えば、あの時Aに声をかけられなかったら、お前達と出会うことは無かったのか…。」
「確かに…！あの時私を助けてくれてありがとう。」
クラピカ「いや、こちらこそ声を掛けてくれてありがとう。」
なんか恥ずかしいね、なんて顔を見合わせて笑い合うと 岩陰からもう一人誰かが出てくるのが分かった。
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ユーハ(プロフ) - 凄く良いですよね！私も大好きです。 (2020年11月7日 20時) (
レス) id: b943d98333 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ユーハさん» コメントありがとうございます。はい、旧ハンターの声優さん達が大好きなので入れちゃいました(^^) (2020年11月6日 20時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
ユーハ(プロフ) - HUNTERHUNTERの舞台の話も入れてるんですね！とっても楽しいです。体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: b943d98333 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます(^^) ご期待に添えますように頑張りますね！ (2019年8月20日 3時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月20日 0時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2019年8月16日 17時
