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#70 ページ27

パーティーも終盤に差し掛かった頃、私はひとりバルコニーで外の空気を吸っていた。


やっぱり、こっちの方が落ち着くなぁ。
私には豪華絢爛な暮らしは似合わないみたい。



ふと足元に伸びた影に目をやると、自分のものでは無い何者かの影が重なっているのに気が付いた。何となく嫌な予感がして振り向くと、恐らく私服姿であろう奴が立っていた。




「…何か御用でしょうか?」


イルミ「別に。」



お察しの通り 奴というのはイルミのことで、私に怪我を負わせ、キルアを試験失格にさせた超本人である。



気まずいとか申し訳ないとかそう言った感情は、全く無いんだろうな…この人。



私が会場に戻ろうとすると、彼は「ちょっと話そうよ。」とだけ言って通り道を塞いだ。



「私のことまた攻撃するつもりですか?」


イルミ「いや、そんなことしたら俺がヒソカに殺されちゃうし。」


「…何でヒソカが?」


「そんなこと俺が知りたいよ。」と溜息をつきながら、彼は私の手首を掴んだ。


「!?」


イルミ「キルは暗殺者としての道を歩むことが産まれる前から決まっていた。アイツの幸せはそれだけだ。」


そう言って「だから邪魔をするな。」とでも言いたげに、私の手首に込めた力を強めた。


幸せ…?
そんな死んだ魚見たいな目してよく言うわ。


さっきまでの社交辞令大会もあって、虫の居所が悪かった私は気付けば彼を怒鳴りつけていた。



「自分で選んだ道が一番幸せに決まってんでしょ。運命とか伝統なんてくだらない戯言並べないで!!」


イルミ「くだらない…?」


「そうよ、くだらない。貴方はキルアとは違って、縛り付けられた道から出る勇気のない自分を正当化してるだけ。」


イルミ「…。」



ハッと我に返った時にはもう遅かった。

しまった…大口叩きすぎた。
今度こそ本当に殺される。



身の危険を感じた私は、彼の手を振りほどいて一目散に逃げた。



(ひぇ〜〜)

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ユーハ(プロフ) - 凄く良いですよね!私も大好きです。 (2020年11月7日 20時) (レス) id: b943d98333 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ユーハさん» コメントありがとうございます。はい、旧ハンターの声優さん達が大好きなので入れちゃいました(^^) (2020年11月6日 20時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
ユーハ(プロフ) - HUNTERHUNTERの舞台の話も入れてるんですね!とっても楽しいです。体調に気をつけて更新頑張ってください! (2020年11月6日 18時) (レス) id: b943d98333 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます(^^) ご期待に添えますように頑張りますね! (2019年8月20日 3時) (レス) id: 39e4a96b67 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが楽しみです!頑張ってください! (2019年8月20日 0時) (レス) id: 193d98d6bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/  
作成日時:2019年8月16日 17時

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