原因不明熱 ページ17
鉢屋「……どういうことだ………」
人通りの少ない倉庫前まで来ると呟いた。
Aの走ってる姿など見たことがない。
何しろここ数ヶ月で親しくなったばかりなのだから。
それなのに、あの時確かに脳裏には彼女と良く似た人物が風を切る様子がフラッシュバックして、同時に口をつくように出たのがあの言葉だった。
おかしい、あり得ない。
まさか熱中症になりかけているのは自分の方で、変な夢でも見ていたんだろうか。
ずるりずるりと壁に体重を預けてしゃがみこむ。
鉢屋(……熱はなかったはずなんだが………)
すると、さっき離れたはずの人物がスポーツドリンクを片手に心配そうに自分を覗き込んでいるのだった。
「鉢屋、大丈夫？」
鉢屋「え」
「やっぱりまだ具合悪いんでしょ。さっきだって変なこと言ってたし。」
鉢屋「いや、気にしないでくれ。」
「そう、ならいいけど。」
とは言いつつも、三郎はAの裾を引く。
Aは本当に大丈夫なんだろうか、と心配しつつ隣に腰かけた。
三郎だって分かっていなかった。
どうして自分がそんなことを口走り、彼女のことを引き留めているのか。
……ただ、何故だか離してはいけないような気がして。
鉢屋(せめてもう一度見られたら分かるかもしれない……)
着物のような何かを纏ったAに良く似た子供。
きっとずっと昔の時代の人で………あれは間違いなく男だった。
鉢屋「なぁ、お前って本当に女か？」
「何よ急に……当たり前でしょ。」
デリカシーの無い質問を足蹴にして、怒りも一周回って呆れた視線を向ける。
鉢屋「双子？」
「ううん。」
鉢屋「男兄弟は？」
「大学生の兄が……って、さっきから何？」
鉢屋「うーん、兄貴って年じゃないよな………。もう少しで分かりそうな気がするんだが。」
「変なの」
眉をひそめるA。三郎の説明に納得がいかないようだ。……それも当たり前か。
もう一度彼女が何かを尋ねようとすると、ひょっこりと倉庫の影から同学年の女子が顔を覗かせた。
女子1「佐倉さん………あ、ごめん邪魔しちゃった？」
「はは、全然。ちょっと具合悪そうだったから見てただけ。」
女子1「あぁ、なるほど。次の借り物競争なんだけどさ……＿＿」
離れていく背中、狭くなった影。
三郎はもう一度目を瞑り思い出そうとしてみたが、やはり浮かばなかった。
鉢屋(全く、調子狂うな……)
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かにかま(プロフ) - 凛@昆布教さん» はい。久々知君が共学のノリについていけない気がしたので、い組はまとめて私立に入ってもらいました笑 コメントありがとうございます。 (2020年9月13日 0時) (
レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛@昆布教(プロフ) - キェェェェェ！！！！………五いが出たこと嬉しすぎて奇声上げましたごめんなさいありがとうございますやっぱり学校違うんですね私もハチにポテトあげたい。（句読点無くて読みづらいと思うので読まないでも大丈夫ですよ）更新頑張って下さい！！ (2020年9月12日 22時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 凛@昆布教さん» いつもコメントありがとうございます(^^) 反応が貰えると執筆のし甲斐があるなぁ、と筆が進みます。。かにかま家の鉢屋君と気が合いそうですね笑 中在家先輩のことは今の段階では良く分かりませんが、夢主にとって大切な先輩の一人であったことは確かだと思います。 (2020年9月9日 22時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛@昆布教(プロフ) - 待ってください2ヶ月に1回って少なって思ったら私の思いを三郎が代わりに言ってくれましたありがとう三郎。もしかして、まさか中在家先輩も記憶があるんじゃ…！？！？とか考えてます。更新頑張って下さい！！ (2020年9月9日 15時) (レス) id: 0b140bf78a (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 凛@昆布教さん» たうふと共に生きていることは私が保証します（誰？）夢主ちゃんはどう思ってるんでしょうね……如何せん彼女は分かりにくい人なので、私にも分かりません……… (2020年9月5日 22時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a062/
作成日時：2020年9月2日 9時
