【忍たま】日々平凡【短編】 (ページ17)

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最高の先輩-三反田数馬ページ17

「優しくて、格好良くて、頼りになる最高の先輩です！」

自信満々にそう答えると、対峙した先輩は顔を真っ赤にしてパクパクと口を動かしていた。

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事の発端は半刻前。

縁側で忍たまの友を読んでいた私の元に珍しい人が訪れた。

「やぁ」

「あ、数馬先輩。」

「何してたんだい？」

「明日の授業の予習をと思って。」

「偉いなぁ」

「浦風先輩にはまだまだ敵いませんけどね。」

「あれはやりすぎ。」

今朝だって凄かったんだから、と呆れたように話す。髪には制服と同じような緑の葉が纏わりついている。

きっと不運に見舞われたんだろうな、と思いながら先輩の長い後ろ髪に手を伸ばした。

「ん？」

「髪に葉っぱ付いてますよ。取りますからじっとしててください。」

「………あぁ、ありがとう。」

「取れましたよ。……って、あれ？怒ってます？」

「いや、怒ってない。」

「……でもさっきから目を合わせてくれないじゃないですか。」

「怒ってないってば！」

振り返った数馬先輩。穏やかな彼が声を荒げるのは珍しくて、校庭に居た忍たま達の視線が集まる。

─騒がしいな。
─喧嘩か？

ハッとして、また元のトーンに戻すと、申し訳なさそうに先輩は続けた。

「情けないなぁって思ってさ。僕、存在感ないし不運だし、その上後輩のAにだって気を遣われちゃうし。」

僕ってダメな先輩だよな。

「そんなことないですよ！だって先輩は……＿＿＿」

そこで上述の通りの言葉を返すと先輩は急に赤面してしまったのだ。

─何だよ、只の痴話喧嘩か。
─あーあ、心配して損した。

いつの間にか、動向伺う周囲の視線も落ち着いているのだった。