【忍たま】日々平凡【短編】 (ページ12)

今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:50,766 hit

酔っぱらいと-竹谷八左ヱ門ページ12

医務室で番をしていた深夜のこと。

へべれけになった兵助が八左ヱ門に連れられて来たのは丑の刻を回った頃だった。

「寝てた？」

「ううん。それより、どうしたのそれ。」

「兵助。珍しくベロベロに酔っちゃってさ。」

「あら、珍しい。」

「二日酔いに効きそうな薬無い？」

「今探してみるね。」

「悪いな。」

四年生頃から定期的に開かれている彼らの呑みの席。

一度仲間にいれてよと言ったけど、男には男の付き合いってもんがあるんだと断られてしまったんだっけ。

まぁどうせ猥談できないとかくだらない理由だと思うけど。

そんな私でも、八左ヱ門が介抱役に回ることくらいは予想がついていた。

小さく笑った私に八左ヱ門は怪訝な表情を浮かべた。

「……あ、あった。これ飲めば明日にはすっきりしてると思うよ。」

「ありがとう。兵助、Aが薬くれたぞ。ほら飲みな。」

「んー………薬ぃ……？」

兵助は八左ヱ門にされるがままに、注ぎ込まれた薬を水で流し込んだ。そして、流れるようにそのまますぅっと目を瞑ってしまった。

よっぽど飲んだのだろう。
ここまで潰れさせるなんて、主催者は学級委員の二人だろうな。

また一人で笑うと、彼はもう一度不思議そうにこちらを見る。

今度は知らんぷりし難くて、私はコテンと首を傾げた。

「さっきから楽しそう。」

「えー、そうかな。」

「そうだよ………あ、兵助連れてきたからか。」

「？」

「A、兵助のこと好いてるんだろう。」

「えぇっ！？ち、違うよ！」

どこを勘違いしたらそうなるんだか。

焦って否定するが、兵助程ではなくともかなりの酒気を帯びた彼は聞く耳持たずといった様子で、勝手に話を進めていくのだった。