同室の受難 ページ2
「んー………」
同室「おはよ。」
「おはよう。」
ぐっと伸びをして太陽の光を浴びる。
へにゃりと笑ったAをみて、同室はほっと胸を撫で下ろした。
昨日の今日だから心配していたけど、どうにか彼女の中で踏ん切りが付いたようだ。
恐らくはシナ先生のお力添えがあってのことなのだろうけど。
同室「そろそろ食堂行こうか。」
「うん。」
*
席に着くなりA達に話し掛けてきたのは、学級委員長委員会の二人だった。
「あぁ、尾浜君と鉢屋君 おはよう。」
同室「…どうも。」
なんの疑いもなく対応するAに反して、同室は彼らに疑り深い視線を向けた。
それもそのはずだ。
食堂に居る忍たま達は、ほぼ皆自分達の動向を伺っているのだから。
隠しているつもりなのだろうが、不自然に向けられる視線やひそひそ話から、それが勘違いでは無いことが見て取れた。
同室(朝から何を企んでるんだか…)
ちらりと目をやれば、そんな様子に全く気付く気配のない彼女。
我が同室ながら、相変わらず鈍感なようだと渇いた笑みを浮かべた。
思えば低学年の頃からそうだった。
忍たまに告白の言伝を頼まれても、
「それって本当に私に言ってたの？聞き間違いじゃない？」
同室(……って、平然と返していたくらいだもんなぁ。)
そう考えてみれば、最近のAは幾分か年相応に成長したと言えるかもしれない。
色恋をからかわれて赤面するだなんて、今までなら有り得なかったことだ。
個人的には気に食わない面も多いが、ここは素直に彼ら忍たま五年生達にも感謝するべきだろう。
同室(特に、久々知兵助…………＿＿)
そう頭の中で名を呼んでいた彼女は、食堂の入り口からタイミング良く現れたその張本人の姿を見て絶句した。
同室「え」
「？どうしたの？」
同室「あっ……い、いやぁ…何でもないわよ。」
久々知「勘右衛門、朝食は布団片付けてからにしろよ。」
尾浜「あ！ごめん。」
同室(…ん？)
心なしか強まった視線。
そして兵助が現れるなり、耳打ちを始めた二人。
これは確実に何かを企んでいる。
しかも、恐らくはAと兵助に関することだろう。
また厄介事にならなければいいけど、と人知れず深い溜め息をつく同室であった。
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かにかま(プロフ) - j061191さん» コメントありがとうございます。ご期待に添えますよう精進いたしますね(^^) (2020年7月19日 15時) (
レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
j061191(プロフ) - まだまだ続きが楽しめるなんて嬉しいです…！受験とのことで無理なさらず…陰ながら応援しています (2020年7月18日 21時) (レス) id: ad5fefd1f8 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - j061191さん» コメントありがとうございます。勿論、アイ・アム・独身と言えなくなる日まで書くつもりでいます。実は、書きたい展開の二つくらいしか書けていないのです……。今後ともよろしくお願いします(^^) (2020年7月18日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
j061191(プロフ) - 毎日更新楽しみに読ませていただいています。ネタバレになってしまうといけないのですが、名前を呼んでくれてキュンとしました。ここまで来たら独身→既婚になるまで読みたいなぁ、なんて…。じれったい関係はずっと続くのか！？続きも楽しみにしています！ (2020年7月18日 8時) (レス) id: ad5fefd1f8 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - j061191さん» コメントありがとうございます。ゆっくりですが、きっと真っ直ぐに向き合える日がくると思うので、その日までお付き合いよろしくお願いします！ (2020年7月14日 13時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a062/
作成日時：2020年7月5日 19時
