#31 ページ32
二日目の夜。
ウトウトしていた所不意に視線を感じて目を開くと、クラピカに見つめられていたことに気付いた。
「…！？」
クラピカ「久しぶりだな。こんな所まで足を運ばせることになってしまって申し訳ない。」
ブンブンと激しく首を横に振る。
彼は相変わらずだな、と笑った。
(…あ。)
その笑顔を、記憶の中のクラピカと重ねてみる。昔はあんなにも無邪気に笑っていたというのに、いつの間にかこんなに寂しそうに笑うようになってしまったんだなぁ…。
やるせなさと思い出せた喜びと…………
私はせめぎ合う気持ちを抑えることが出来なくて、衝動のままに彼を抱きしめた。
クラピカ「A？」
「ク、ラ、ピカ…ごめ、ん。」
クラピカ「！？お、お前喋っ…」
「ぜんぶ、思いだ、し、た。」
クラピカ「…。」
「それ、で、はなせる、よに、なた。」
クラピカ「…そうか。」
ごめんね、貴方にだけに背負わせるつもりはなかったんだ。
でも、これからは哀しみも憎しみも喜びも…どんな感情だって貴方と分ち合えるよ。
そう言いたくとも、私の口はそれ程流暢に動いてくれない。
代わりに腕に込めた力を強めると、彼は私の背中に手を回し、ポンポンと優しく叩いてくれた。
クラピカ「辛かったな。」
「ク、ラ、ピカも。」
クラピカ「あぁ、私も。」
「だい、す、き。」
クラピカ「……あぁ、私もだ。」
少しだけその声が震えたのに気付いて、暫くは抱き合ったままでいた。
久しぶり、クラピカ。
六年ぶりにやっと会えたね。
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金糖の少女 - 恋愛感情で動きを変えないという解釈…！！わかります！！自分も同じ解釈なんですけど恋愛小説ともなると難しいのでどうしても解釈不一致な作品ばかりになってしまうんですよね…(急募 語彙力) (12月15日 16時) (
レス) @page46 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。シリアスなシーンが多い彼なので、創作の中だけでもほっと一息つける瞬間があって欲しいなと思い書きました(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！読み終わったあと、心があったかくなった感じがしました笑 (2021年5月27日 9時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 凛太さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです(^^) (2020年11月11日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛太 - めちゃ読みやすかったし、面白かったです！！！ (2020年11月11日 6時) (レス) id: caca9cc888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かにかま | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時：2020年4月12日 1時
