検索窓
今日:5 hit、昨日:32 hit、合計:70,034 hit

#1 ページ2

目覚めると、そこにいた。


金髪の似合う、端正な顔立ちの青年。



?「…気がついたのか!?」


(……誰?)


?「A…良かった。」


(何で私の名前を知ってるの?)



何が何だか全く理解不能だ。しかし困惑する私をよそに、彼は勝手に話を進める。



?「お前さえ目覚めなかったら、私は独りになってしまうところだった。」


(ちょ、ちょっと待ってよ。
本当に何の話をしているの?)




…ってあれ?
声が出ない………?



口に出しているつもりだったそれらの言葉は、全て私の喉につっかえたように出てこない。叫び声を上げるくらいに力を込めてみても、ヒューヒューという苦しそうな息が漏れるだけ。



仕方なしに、彼の肩を叩きジェスチャーをしてみた。



(私、声、出ません。)


?「喋れない…のか?」


大きく頷くと、さっきまでの饒舌が嘘のようにポカンとする青年。


(それから、私、貴方、知らない。)


?「ん?」


(貴方、分からない。)


?「……___私の事を覚えていないのか。」




暫くの沈黙の後、目を見開いた。もう一度頷くと、物寂しそうに微笑んで返した。




クラピカ「はじめまして、A。私はクラピカだ。」


(クラピカ、よろしく。)


クラピカ「…あぁ、よろしく。」


(何で、私、知ってるの?)


クラピカ「……人違いだったみたいだ。」




「ゆっくりでいい。元気になってくれ。」そう言って彼は私の頭を撫でた。その時の悲しそうな表情が、厭に私の脳に張り付いて剥がれないのだった。

#2→←設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (120 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

金糖の少女 - 恋愛感情で動きを変えないという解釈…!!わかります!!自分も同じ解釈なんですけど恋愛小説ともなると難しいのでどうしても解釈不一致な作品ばかりになってしまうんですよね…(急募 語彙力) (12月15日 16時) (レス) @page46 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。シリアスなシーンが多い彼なので、創作の中だけでもほっと一息つける瞬間があって欲しいなと思い書きました(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!読み終わったあと、心があったかくなった感じがしました笑 (2021年5月27日 9時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 凛太さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです(^^) (2020年11月11日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛太 - めちゃ読みやすかったし、面白かったです!!! (2020年11月11日 6時) (レス) id: caca9cc888 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/  
作成日時:2020年4月12日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。