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目覚めると、そこにいた。
金髪の似合う、端正な顔立ちの青年。
?「…気がついたのか!?」
(……誰?)
?「A…良かった。」
(何で私の名前を知ってるの?)
何が何だか全く理解不能だ。しかし困惑する私をよそに、彼は勝手に話を進める。
?「お前さえ目覚めなかったら、私は独りになってしまうところだった。」
(ちょ、ちょっと待ってよ。
本当に何の話をしているの?)
…ってあれ?
声が出ない………?
口に出しているつもりだったそれらの言葉は、全て私の喉につっかえたように出てこない。叫び声を上げるくらいに力を込めてみても、ヒューヒューという苦しそうな息が漏れるだけ。
仕方なしに、彼の肩を叩きジェスチャーをしてみた。
(私、声、出ません。)
?「喋れない…のか?」
大きく頷くと、さっきまでの饒舌が嘘のようにポカンとする青年。
(それから、私、貴方、知らない。)
?「ん?」
(貴方、分からない。)
?「……___私の事を覚えていないのか。」
暫くの沈黙の後、目を見開いた。もう一度頷くと、物寂しそうに微笑んで返した。
クラピカ「はじめまして、A。私はクラピカだ。」
(クラピカ、よろしく。)
クラピカ「…あぁ、よろしく。」
(何で、私、知ってるの?)
クラピカ「……人違いだったみたいだ。」
「ゆっくりでいい。元気になってくれ。」そう言って彼は私の頭を撫でた。その時の悲しそうな表情が、厭に私の脳に張り付いて剥がれないのだった。
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金糖の少女 - 恋愛感情で動きを変えないという解釈…!!わかります!!自分も同じ解釈なんですけど恋愛小説ともなると難しいのでどうしても解釈不一致な作品ばかりになってしまうんですよね…(急募 語彙力) (12月15日 16時) (レス) @page46 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます。シリアスなシーンが多い彼なので、創作の中だけでもほっと一息つける瞬間があって欲しいなと思い書きました(^^) お返事遅れてしまいすみません。 (2022年7月8日 0時) (レス) @page49 id: a48c4b505b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - めっちゃ面白かったです!読み終わったあと、心があったかくなった感じがしました笑 (2021年5月27日 9時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 凛太さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです(^^) (2020年11月11日 10時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
凛太 - めちゃ読みやすかったし、面白かったです!!! (2020年11月11日 6時) (レス) id: caca9cc888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時:2020年4月12日 1時