番外編#1 嫁姑問題 ページ32
「「「…。」」」
ゴトン、と置かれたティーカップ。
折角ふかふかの高級そうなソファーに腰掛けているというのに、迸る緊張感から背にもたれかかることが出来ない。
キキョウ「…で、もう一度伺ってもいいかしら。」
イルミ「俺コイツと結婚するから。あの縁談全部断っといてよ。」
「い、いや私はそこまで先を急いでないっていうか……」
キキョウ「これはゾルディック家の問題ですから。Aさんはお黙りになって。」
「……ハイ。」
イルミさんのお母様は、とっても変わってる人だと思う。西洋風のドレスに身を包んで、目にはスコープを当てて…きっと美人さんなんだろうけど、その装いがどうしても気になってしまう。
余所者の私を他所に、二人はまた議論を続ける。
キキョウ「その娘がこの家に相応しいって言うの?」
イルミ「相応しい人に俺が育てるよ。」
キキョウ「…。」
イルミ「Aは語学力に秀でている。ミルキ以上に情報収集に向いてると思うけど。」
「それに、母さんだって元々は一般人だったじゃないか。」と付け足すイルミさん。お母様は「イルミまで私にそんな事言うなんて。」と、少々ヒステリックな様子で私を一瞥した。
こりゃ強烈な家庭だな、と気を紛らす為に紅茶を口に含んだ。その時、心做しかお母様の口角が上がったような気がした。
何だか嫌な予感。
「!!??」
それを口にした瞬間、身体中を駆け巡る痺れ。驚いて咳き込むと、気持ちいいほどの高笑いが一室に谺した。
キキョウ「オホホホ、詰めが甘いわAさん。そう簡単にゾルディック家に嫁ぐことが出来るなんて思わないで頂きたいところね。」
「ひ、ひどい……」
イルミ「はぁ…馬鹿だなお前。」
もしかして、イルミさんが頑なにウチの紅茶を飲まなかったのってコレの所為?
「致死量は満たしておりませんのでお気になさらず。」と耳打ちする執事さん。
…いや、そういう問題じゃない。
この家は治外法権なの?
通りでイルミさんがぶっ飛んでる訳だ、と一人納得した。
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かにかま(プロフ) - セナさん» コメントありがとうございます。誉められて伸びるタイプなので、そう言って頂けて嬉しいです笑 (2020年6月6日 20時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - あまりに面白くて一気読みしてしまいました!素敵な作品をありがとうございます! (2020年6月6日 19時) (レス) id: 9a1a35c746 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - たまご登りさん» コメントありがとうございます。楽しんで頂けたようで何よりです(^^)ソイヤッ (2020年4月28日 2時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
たまご登り - めちゃくちゃ良いですね!!!!コミカルさもありつつちゃんと展開がされているところに作者様の賢さが見受けられました!!とても楽しくキュンキュンしながら拝読しました(^o^)ソイヤッ (2020年4月27日 0時) (レス) id: 080b2c3a82 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - わちこさん» コメントありがとうございます。応援して頂けたてとても嬉しいです(^^) (2020年4月24日 2時) (レス) id: c18fa87c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かにかま | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/0660ea0a061/
作成日時:2020年3月22日 17時