Nメゾン 3階 306号室

いざ実践 ページ10

「おはよーございまーす。」

会社について7:42
コモリさんはまだ出勤をしていなかった

頭の中でなんて話すかはシミュレーション完了

あとはターゲットを待つだけ


今日の大夢は朝からぼーっとしていて

お弁当を作っている時も

「…大丈夫？なんか激しい音してるけど？」

「！、危な！焦げるとこだった〜。」

「焦げてもおいしいから大丈夫だよ。」

「ありがとうございます…。」

他にも

「…大夢！それ私のパーカー！」

「！、き、着ちゃだめですか？！」

と絶対間違えて着ていたのに、間違えていないと言い張って着ていくし

どうしたんだ！

あっちも、こっちも、てんやわんや

私の頭の中には一体何人の思い人がいるんだよ


「…おはようございます！」

「あ、コモリさん、おはよー。」

チャンスじゃん！

デスク向かったコモリさんの後をつける

「コモリさん、今いいかな？」

「は、はい。」

「今日の書類なんだけど、」

落ち着いて、ゆっくりと

「分からない所があったら聞いてほしいな？…私もすぐに気づいてあげられないかもだけど。」

「…はい。」

「こっちの書類を先に終わらせて、その後はこっちね。」

「はい！」

「せ、せっかくかわいい顔しているんだから、不安そうな顔しないの。」

い、言えた！けど、なぜか大夢流の褒め方しちゃったよ(笑)

後ろから吉野先輩っ…！とか少女漫画風なヤジが聞こえてくるけど

「…！はい！すぐに聞きに行きます！」

とやる気満タンなコモリさん

「じゃあ、今日も頑張ろうか。…小森さん。」

帰ったら大夢に自慢大会だ


今日のお弁当は♪っと

チャーハンかな！

たまにある焦げもアクセントがあってこれはこれでいいですね

「…ん？」

お弁当袋の中からでてくる手紙


『帰ったらお話できますか？ 大夢』


…もしかして私に愛想が尽きちゃった？

出て行っちゃうとか？

こんな端的な文で情報が何もつかめない

私よりも条件に合う人、好きな人、何かしらの事情が解決…

などと考えうることを全て出してみたが

「帰らないと分からないもんね。」

その日の仕事は少しだけゆっくりと進めていってしまった。



「…ただいま。」

「おかえりなさい！…遅かったですね？」

時刻は20:42、いや、早い方だと思うけど…

「んーん。別に。」

「そうですか？ご飯にしますか？」

「先にお話しにしようかな。」

「…！、わ、分かりました。」


話を切り出してたのは貴方でしょうが

癒し係→←冬期講習

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す