あの方 ページ7
「Aさん。
骨は折れたら放っておいても治りません。
それどころかどんどん悪化していくばかりです。
それに、変な折れ方をするとそのまま正しくない形で癒合してしまうこともあります。」
「はい……」
畳み掛けるように言葉を繋ぐ胡蝶。
言っていることはご最もな上に、自分を思ってくれているが故だと言うことをわかっているので流石にAも大人しく聞いているしかなかった。
「……でも」
胡蝶は ふう、と一旦息をついてから困った様に笑いながら続けた
「Aさんの言っていることも、気持ちも、わかります。
ですがたまには私達を頼ってください。
誰もAさんに対して迷惑だなんて思う人はいません。
むしろAさんは普段、人一倍の任務を背負って下さっているんです。
みなさん恩返しをしたい人は沢山いるはずですよ。」
え、っと……?
胡蝶の言葉に目を瞬かせるA。
もっと怪我のことについて言われるかと思いきや、何だか心が暖かくなるような言葉が返ってきた。
普段から人に頼らなすぎる癖がある彼女は皆に感謝されている自覚がなかったようだ。
「まあ………あの方の言うことだけは聞きますからね、Aさんも。
今回もあの方に言ってもらわなければ貴方の右腕がどうなっていたか想像がつきません。
柱合会議があって本当に良かったです。
今度からは私の言った事もちゃんと聞いてくださいよー?」
「善処します……」
胡蝶も自分の事を気にかけてくれているんだ、ということがわかってやはり釘は刺されたもののどこかほわほわする感覚をおぼえた。
胡蝶は自分よりも二つ年下なのに
どちらが年上かわからないな、とAは心の中で思った
包帯を巻いていた手を止めて
ではこれで治療はお終いです、と胡蝶が切り上げようと口を開いた時
診察室の扉が勢い良く開いた。
「失礼する!
Aはいるか!
む、いた!」
「杏寿郎…?!」
「あらあら、さっそく噂をすればですね」
そこには炎柱である煉獄杏寿郎がいた。
1157人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
珀(プロフ) - ゆうさん» 再度コメントありがとうございます。とてもとても嬉しいです(;;)諸事情で完結まで時間がかかると思うのですが宜しければ何卒、気長にお待ちくださいませ、、! (2020年12月7日 23時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新待っていました!続き楽しみにしています! (2020年11月22日 2時) (レス) id: e0580f81f7 (このIDを非表示/違反報告)
珀(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます。そんな…何回も読み返していただいてるなんてとても嬉しいです( ; ; )ゆっくりになるとは思いますが今後ともよろしく致します、! (2020年11月22日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
りり - すごく素敵なお話で何度も読み返しています!無理せず更新頑張ってください。応援してます! (2020年11月18日 20時) (レス) id: 100354a5be (このIDを非表示/違反報告)
珀(プロフ) - 梟と烏の羽にさん» コメントありがとうございます。そのように言っていただいてとても嬉しく感じると共に、心温まりました。今後ともよろしくお願い致します。 (2020年11月14日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:珀 | 作成日時:2020年3月6日 0時