左利き ページ6
「……
放っておけば……そのうち治ると思ったの
それに…傷めたのは右腕だから刀は振れるし、
担当地区の見回りを怠る訳にはいかないし……
あと……もう次の任務がきてたし」
ポツリ、ポツリ、と理由を並べていくA。
後半に行くにつれてだんだんと声が小さくなっていく。
多分、彼女にとって後半にいくほど本当に来なかった理由に近いのだろう。
ただえさえ柱の担当地区は広い。
最近は特に隊士の数の減少や質が低下が問題になっていたため、上階級の隊士の抱える仕事が増えていた。
もちろん誰かが負傷すれば周りの隊士や柱達で分担し合うが、Aの事だからこれ以上負担をかけたくなかったのであろう。
そして何より、彼女の元へは次の任務が来ていた。
負傷した任務はAにとって至極簡単な任務であり、負傷するとは本人も御館様も思っていなかった
だから他の柱たちも手一杯の中、次の仕事の軍配をどうするか決めかねていた御館様に引き受けることを
自ら申し出たのだ。
御館様は最後まで心配していたが、Aが押しきった。
ところが実際に任務に出向いてみると
何日か前に与えられていた情報とは違い、目的の鬼は
Aが来るまでの期間中にたくさんの人間を食っており、異能を操るまでになっていた。
それでも油断等はせず、いつも通り鬼の頸を切るはずだったが
念の為すでに派遣されていた隊士が油断し、それを庇ったところ鬼の血鬼術を喰らい、右腕を骨折した。
それでもまだ血鬼術を身につけたばかりの鬼で
それを喰らった相手が柱であるAであったから骨折程度で済んだのだろう。
本来ならここで引き受けていた次の任務は他の隊士へ任せ、胡蝶の診察を受けるべきであったが
御館様の手配ミスにはしたくなかったので
利き腕が左腕であるAはそのまま任務を続行。
そして今日に至るのであった。
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珀(プロフ) - ゆうさん» 再度コメントありがとうございます。とてもとても嬉しいです(;;)諸事情で完結まで時間がかかると思うのですが宜しければ何卒、気長にお待ちくださいませ、、! (2020年12月7日 23時) (
レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新待っていました！続き楽しみにしています！ (2020年11月22日 2時) (レス) id: e0580f81f7 (このIDを非表示/違反報告)
珀(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます。そんな…何回も読み返していただいてるなんてとても嬉しいです( ; ; )ゆっくりになるとは思いますが今後ともよろしく致します、！ (2020年11月22日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
りり - すごく素敵なお話で何度も読み返しています！無理せず更新頑張ってください。応援してます！ (2020年11月18日 20時) (レス) id: 100354a5be (このIDを非表示/違反報告)
珀(プロフ) - 梟と烏の羽にさん» コメントありがとうございます。そのように言っていただいてとても嬉しく感じると共に、心温まりました。今後ともよろしくお願い致します。 (2020年11月14日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：珀 | 作成日時：2020年3月6日 0時
