言い逃げ ページ4
「……あれ?そういえばAさんはどうしてここにいるんだ?」
善逸は落ち着いてふと我に返ったようだ。
彼の女性に対する態度はいつもこうだが、大体みんな最初はびっくりしている…というか引いている
でもAはそれでも表情はほとんど変わらなかったので炭治郎はそちらにも驚いていた
アオイさんなんか相当怒ってたもんなあ、としみじみとその光景を思い出す
「胡蝶さんに会いに…」
おず、といった様子で善逸の問に答えるA。
若干、善逸と距離を置いているのは気のせいだろうか、いや、気のせいではない
「ぃいいぃやああぁあ美女と美女が並ぶなんて天国じゃん!!!!生きててよかったッ!!!俺、生きててよかったよッ!!!」
「やい善逸止めんかッ!!!」
あまりにも困った様子のAに痺れを切らした炭治郎が止めにかかった時、この屋敷の主である人物の声が聞こえた
「善逸くん、そこら辺にしてください。Aさんが困っています。」
「胡蝶さん!」
救世主がきた、と言わんばかりにその人の名を呼ぶ炭治郎。
用事から帰宅したらしい彼女はこんにちは、と言っていつも通り静かに微笑んでいた
一方善逸は念願の美女二人と胡蝶に怒られるという二つの出来事で叫ばずにはいられないようだが、胡蝶を怒らせるとどうなるか身体が危険を察知していたため大人しくなった。
「Aさん、診察するのでこちらへいらしてください。」
「あ……
ありがとうございます」
胡蝶がそう言うと一連の流れをぼーっと見ていたAはハッとしたように縁側から降りた
最後まで不思議な人だったな
任務で同じになってまた会えた時もっと仲良くなれればいいな
と最後の挨拶でもしようと炭治郎が思っていると
背を向けたはずのAがゆるりとこちらへ振り向いた
それを胡蝶が少し奥で微笑ましそうに見ている。
振り向いた彼女は一瞬、何かを考えた素振りをしたが折れていない方の左腕を遠慮がちに上げて
「……一緒にいてくれてありがとう
竈門炭治郎くん、と…善逸くん」
と聞こえるか聞こえないかの声で言ってそそくさ、と胡蝶と共に去っていった
炭治郎の固まる音と善逸の奇声が聞こえるのはほんの少し後。
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珀(プロフ) - ゆうさん» 再度コメントありがとうございます。とてもとても嬉しいです(;;)諸事情で完結まで時間がかかると思うのですが宜しければ何卒、気長にお待ちくださいませ、、! (2020年12月7日 23時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 更新待っていました!続き楽しみにしています! (2020年11月22日 2時) (レス) id: e0580f81f7 (このIDを非表示/違反報告)
珀(プロフ) - りりさん» コメントありがとうございます。そんな…何回も読み返していただいてるなんてとても嬉しいです( ; ; )ゆっくりになるとは思いますが今後ともよろしく致します、! (2020年11月22日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
りり - すごく素敵なお話で何度も読み返しています!無理せず更新頑張ってください。応援してます! (2020年11月18日 20時) (レス) id: 100354a5be (このIDを非表示/違反報告)
珀(プロフ) - 梟と烏の羽にさん» コメントありがとうございます。そのように言っていただいてとても嬉しく感じると共に、心温まりました。今後ともよろしくお願い致します。 (2020年11月14日 1時) (レス) id: b76cd08d2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珀 | 作成日時:2020年3月6日 0時