有岡せんせいっ (ページ5)

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4 胸の高鳴りページ5

翌朝。今日はちいちゃんと麻衣と、3人で学校まで向かっている。

麻「今日から授業だね〜。」

「あ〜勉強ついて行けるかなーーー」

知「中学の時みたいに、僕に頼るのは勘弁。笑」

頭の良いちいちゃんは、中学時代、勉強が苦手だった私に丁寧に教えてくれた。

「大丈夫。多分。笑」

今日は古文の授業もある。ということは、私は係をやらなければならない。

入学したてでいきなり係をまかせられるとは。

1時間目、2時間目と授業をして、3時間目。

私は職員室の前に立ち、トントン、とノックした。

「失礼します。1年3組の高田です。」

有岡先生のところに向かう。

「先生、手伝いに来ました。」

有『おお、ありがとう。じゃ、これ教室に持っていってくれるかな？』

渡されたのは、クラスの人数分のプリント。
少し、重いな。

「わかり、ました。」

私は、プリントを持って、教室に向かった。

階段を登る。すると、足元が段差に引っかかった。

途端に、私の視界は揺らぎ、プリントが宙にひらひらと舞う。

あ、転ぶ。大怪我をする。

そう思ったけど、私の背中と腰が誰かの手によって支えられて、ことなきを得た。

有『高田さん、大丈夫…？』

「有岡、先生…」

ちょっとカッコよかったなって、キュンとしてしまったのは、気のせいであってほしい。

顔が熱く感じるのも、気のせいであってほしい。

胸の高鳴りも、全部全部。

________気のせいで、あってほしい。

有『怪我はない？』

プリントを拾いながら、有岡先生が問いかけてくる。
　

「だい、じょうぶ、です…」

ボーッとする頭で、私もようやくプリントを拾い始めた。