24 私の方が ページ25
先生からの告白に、私の脳内で状況が整理出来なくなる。
「…私たち、両思い、だったんですね。」
やっと出た言葉がそれだった。
私の気持ちは、一方通行なんかじゃなかった。
有『うん、そうだね。笑』
耳を赤くして、少し照れてる先生。
有『てか、朝のHL始まるよ?いそご!』
腕時計を確認すると、そう言った。
「はい!」
2人で、急足で教室に向かう。
…先生。私の方が、先生のこと好きだよ?
私たちは、両思いではあったけど、恋人になることはなかった。
学校にバレてしまったら大変なのは、目に見えてるから。
でも、変わったことと言えば、2人きりの時だけ、お互い呼び捨てで呼ぶようになったこと。
私はAって呼ばれ、逆に先生のことを大貴って呼ぶようになった。私が敬語で話すことも、2人きりの時だけはなくて。
これは私たちだけの秘密なの。
今日も、もうすぐ迫っている中間テストに向けて、生徒指導室で古文を教えてもらっている。
有『そうそう、わかるようになってきたじゃん。』
そう言って頭を撫でてくれる大貴。
「ふふ、大貴のおかげだよ。ありがとうね。」
有『おう!これで中間テスト、古文はばっちりだな!』
「そうだね!他の教科は、麻衣とちいちゃんに教えてもらおうかな。」
有『だめ!佐々木さんはいいけど、知念は俺が嫉妬する。』
「…え?だって、ちいちゃんは麻衣と付き合ってるから大丈夫だよ。ただの友達だし、なんもないから。笑」
有『えー、ほんとに??』
「うん。笑」
嫉妬してくれる大貴でさえも、愛おしい。
私のこと、ほんとに好きなんだなあって。笑
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作者名:りりあ | 作成日時:2022年11月6日 15時