女子高校生と放課後4 ページ41
顔の距離は、僅か10センチ。
「…!!」
蘇芳色の大きな瞳が私を捉えていて、呼吸を忘れる程、吸い込まれそうだった。
キラキラと照らされた亜麻色の髪が、窓からの風に吹かれてそよぐ。
私たちの間に、短くて長い時間が流れた。
「ハッ、お、沖田く…」
「じっとしてろィ。」
沖田君の目を見すぎていたことに気がついたので、離れようとすると、抑えられた。
沖田君の顔が近づいてきた。おぉぉお????何!?何!!何なの!?
「〜〜〜ッ!!////」
近すぎる上に、相手は(沖田君とはいえ)男の子である。嫌でも顔が熱くなるのが分かる。流石は学校のモテ王子、顔が整いすぎて、見ていられない。
私は反射的に目をぎゅっと瞑った。
すると、
「…はァ、やっと取れた。お前がギャーギャー動き回るせいで、なかなか取れなかったんでィ。ったく、落ち着きねェのな。」
沖田君は、手を払った。
「…おぉ、ありがと…。」
ふぅと息をつく。体が熱くて、まだ少し火照っている。
…待って、何これ、何この感覚…。なんだか凄く心臓がドキドキしてる。
「顔、赤いねィ。もしかして、期待s…「する訳ないであろう!!!断じてしてそれは無い!!」…んな全否定しなくてもいいだろィ。」
沖田君の言葉を遮るように大きな声を出して立ち上がってしまった。
「ち、違うから!!うん、そう!違う!」
「必死すぎな。」
ニヤニヤ笑う沖田君の言葉を聞くと、何故かますます心拍数が上昇するのが分かった。
「ご、ごめん!教室に忘れ物しちゃったんだ!!!ちょっと取りに行ってくる!一瞬待ってて!!!」
「…」
沖田君を置いて、とりあえず一旦外に出た。
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三日月夜丞(プロフ) - 冒頭の小説の説明から惚れました。「アンタが欲しい。力ずくでも。」ってナニソレ???????めちゃくちゃ惚れたんですが????????応援してます。頑張ってください。 (2020年9月28日 1時) (レス) id: a042f81cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕鈴 | 作成日時:2020年1月23日 1時