女子高校生とパシリ5 ページ15
良いと言っているのに、結局、沖田君は家まで送ってくれた。
「ごめんね、なんか送らせちゃう形になって。」
「ホントいい迷惑でィ。ほれ、3回回ってお手からワンで今回の件は許してやらァ。」
“やれ”と言わんばかりに沖田君が手を差し出すので、それをパシッと叩く。
「いや、正直言わせてもらうと、勝手に着いてきたのアンタだから!!!しかも某少女マンガの台詞パクるな!!確かに沖田君もあっちもドSだけど!」
確かにマンガの佐田〇也もイケメンだけど!いや、実写の山崎〇人もイケメンか…。
「へぇー、少女マンガなんて読むんですかィ?へぇー。」
「おい、その口元。わざとらしくニヤニヤするな!」
「おっと、つい心の声が漏れちまって…。今のは忘れろィ。」
「いやいや、その顔はどう考えても忘れろって顔じゃないけど!?」
“私を何だと思ってるんだ”と言うと、“馬鹿な人”と言われたので即シバいておいた。
「おぉ、痛ェ痛ェ。全く、恐ろしい女でィ。」
「はいはい、わかった、わかったから。」
勝ち誇った表情で見ている沖田君がちょっと憎たらしいけれど、これ以上言っても無駄なので、ここはとりあえず抑えておいた。
というか、私よりちょっと高めの身長もムカつくんだけど。
たく、…私達は玄関先で何しているのか。
「じゃあ、また明日。今日はありがとう。」
「おー。またな。」
「気をつけて帰ってね。」
私に背を向けて歩いていく沖田君の背中を見つめながら、しばらく玄関先で見えなくなるのを見届けて家に帰った。
「ただいまー…。」
まぁ…誰もいないんだけど。お父さんもお母さんも、仕事があるから顔を最近全然見てない。
ふと、窓の外を見ると
「あれ?沖田君…」
沖田君が駅の方向に向かって歩いていくのを見つけた。
「…同じ方角じゃ無かったんだ……。あっちの方が馬鹿じゃん。」
彼の優しさに、少し触れられた気がした。
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三日月夜丞(プロフ) - 冒頭の小説の説明から惚れました。「アンタが欲しい。力ずくでも。」ってナニソレ???????めちゃくちゃ惚れたんですが????????応援してます。頑張ってください。 (2020年9月28日 1時) (レス) id: a042f81cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕鈴 | 作成日時:2020年1月23日 1時