女子高校生とパシリ1 ページ11
2年Z組にも少し慣れてきたある日。
「おーい、A。ちょっと放課後に国語準備室まで来てくれ。」
坂田先生に呼ばれた。
「はーい。ていうか、いつから下の名前呼びになったんですか。」
「別にいいだろ?なァ、神楽。」
「銀ちゃんキモイアル。私のAに手ェ出すんじゃねーヨ。準備室で何するつもりアルか!」
「何もする訳ねーだろ。つーか、いつからお前のAになったんだよ。」
酢昆布をくわえた神楽ちゃんと、(自称)レロレロキャンディをくわえた坂田先生がいつもの如く言い合っている。
「はいはい、もういいですから、Aで。」
「失礼しまーす。」
放課後。
国語準備室に入ると、甘い香りが漂う。
「おー、やっと来たか。」
“お前も飲む?”と坂田先生にココアを差し出されたが、丁重にお断りさせてもらった。
「で、何の用ですか。」
「はい、じゃあこれ仕事な。」
ドン、と目の前に大量の紙束が置かれた。
「…なんですか、これ…?」
「体育祭の冊子。ほれ、じゃあこのホッチキスで…」
少し大きめのホッチキスを、当然のように手渡される。
「いやいや、あの、何で私…?」
「決まってんだろ?お前は国語係だから。俺の仕事の手伝い。」
「ちょ、ちょっと待って下さい!私そんなこと初めて聞いたんですけど…。」
「んじゃ、よろしくなー。あ、終わったら電気消して帰れよー。」
「ちょ、坂田先生!!!」
手をフラフラと振りながら、坂田先生は出ていってしまった。
「チッ、はぁー。」
国語係だなんて、初耳なんだけど。
目の前に、新しいココアのマグカップを見つけた。
多分、いらないって言ったのに淹れてくれたんだろう。
「…やるか。」
しょうがない…。私は手作業で、1つづつホッチキスをとめていった。
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三日月夜丞(プロフ) - 冒頭の小説の説明から惚れました。「アンタが欲しい。力ずくでも。」ってナニソレ???????めちゃくちゃ惚れたんですが????????応援してます。頑張ってください。 (2020年9月28日 1時) (レス) id: a042f81cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕鈴 | 作成日時:2020年1月23日 1時