12 危機一髪！？ ページ12
由紀(ふぅ)
よし、深呼吸をして、渡ろう
車に乗ってるから、分かりゃしないもんね
車の前を通り、スタスタと前へ進んでいき
近くに曲がり角に向かった
由紀(はぁ、心臓に悪い)
バレてないね、よかった
リチャ(大家さん？)
由紀(何も見てません！！)
リチャ(大家さん、何言うてるんですか)
由紀(え、何だ、リチャさんかぁ)
リチャ(誰かと思ったで 後ろから見たら変な人やで)
由紀(やっぱり？)
リチャ(何してるん？)
由紀(え、いや、空は綺麗やなぁって思って)
リチャ(俺からしたら、前向いてたし、空見てへんやろ)
由紀(ま、まぁ……あはは)
リチャ(変な人やなぁ 帰るで)
由紀(え？)
リチャ(何が、え？、なん？ 帰らへんの？)
由紀(あ、帰る帰る)
私の行動を知ってるのか？ってくらい
何も疑いなしで帰る、リチャさん
気のせいか
それに、あれが末澤さんかどうかも分からへんし
世の中似た人おるもんね 気にしない気にしない
部屋
由紀(暇だなぁ)
部屋に戻ってもする事ないなぁ
談話室に行こうかな
外に出たら、末澤さんと遭遇した
げっ、今会いたくない人に……会ってしまった
誠也(あ)
由紀(ど、どうもー)
話したくもないので、末澤さんの前を通った
誠也(なぁ、俺と女がおったの見たやろ)
由紀(えっ？ ナンノコトですか？)
誠也(とぼけても無駄やで 車の前通ったの あんたやろ？)
バレてるやん……
由紀(あたしかどうかは分からへんやん 世の中似た人はおるんやで)
誠也(おるのはおるけど、俺の目は確かにあんたやったんや)
うぅ、鋭いやん……
由紀(べ、別に、私はあなたが誰かと付き合おうかは関係ないし 誰にも言わへんから)
誠也(付き合う？ 誰と付き合うねん)
由紀(え、女の人と一緒にいたやん その人とは付き合ってるんやろ？)
誠也(何か勝手に付き合う方向に言ってるけど、俺、付き合ってないからな)
由紀(そ、そうなんだぁ)
何だよ、でも、女の人とはおったのは確実やん
誠也(てか、隠れてみるとか変態やな)
由紀(隠れて見たわけとちゃうし)
誠也(知ってるやで、角曲がったとこでも見てたやろ？
俺の車のミラーで見えてるんやからな)
どんだけ、目がええねん
由紀(堂々と見る方も相手に失礼かと)
誠也(別に俺は見られてもええけどな)
由紀(え、嫌じゃない？)
誠也(コソコソより、堂々としてる方がええやん)
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作者名：あーさん | 作成日時：2020年12月5日 14時
