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『違うんです…っ私…ずっと……
皆さんに会いたくて…だから…今出会えた事が…
とても嬉しくて……っ』
どうにか、涙をとめようと目を拭うが、
いくら拭っても、後からどんどん溢れてしまう。
Zm｢そないに擦ったら、赤くなってしまうで…｣
目を拭っていた手を捕まれ事により、
とめどなく涙が流れる。
その後数分程、ゾムに頭を撫でられ
ようやく落ち着くことができ会場へと戻る。
が…情けない所を初対面で見して
しまった事が、いたたまれなく先程から、
目線はずっと斜め下や斜め上など、
キョロキョロと忙しなく動いている。
『あ、あの…初対面なのにも関わらず、
情けない姿を晒してしまい申し訳
ございません…』
なんたる失態…
透明化魔法を使い、姿を隠したいくらいだ…
Zm｢んふふw驚いたけど大丈夫やでw
ほら、着いたで｣
ゾムの呼びかけに従うように、会場の扉を
開け他のメイド候補の方と、並ぶように整列
する。
｢これより、審議致します。
参加者3名は待機室にて、結果が出るまで
待機していて下さい。以上。｣
審判の声に従い、会場を出て待機室へと
向かおうとすると、後ろから手を引かれ
驚きで振り向けば、戦闘前に名前が
呼ばれていたメアリー・クラウスだった。
ﾒ｢あなた何者なの！？｣
そう問いを持ち掛けた彼女は、興奮冷めやらぬ
と言った感じで、言い寄ってくる。
『え…？どういう事…ですか…？』
ﾒ｢どーもこーもないわよ！あなたあんなにも
沢山の展開魔法を、走りながら
仕掛けていくなんて、とっても凄いわ！｣
きらきらとした、純粋な瞳で見つめられ
ながら、そう言われるが…
何者かと問われて、転生者ですーなん
答えでもしたら、何言ってんだ？こいつ…
なんて事になる事間違いないだろう…
ｸ｢メアリー、彼女困ってるわよ？｣
どうしたものかと視線をさ迷わせていると、
クラリス・ロマイシンがそう助け舟を、
出してくれた。
ﾒ｢でもクラリス！貴方もすごいと思わない！？
あのゾムさまを倒したのよ！？
それに沢山の展開魔法！詠唱も無しによ！？｣
興奮気味なメアリーの頭を、クラリスが
優しく撫でながら相槌を打つ。
ｸ｢えぇ、そうね。確かに私も凄いと思うわ。
でも初対面の方を困らしてはダメよ？｣
クラリスに言われ、ようやく落ち着きを
取り戻したのか、少し落ち込んだように
こちらを向く。
ﾒ｢そうよね…ごめんなさいね？改めて
初めまして！私メアリー・クラウス18歳よ！｣
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作者名：雪桜 | 作成日時：2019年9月18日 23時
