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深「菊花。」





と不機嫌そうな辰哉親父さんが店先の扉に背をかけて


腕を組みながら私の名前を呼んだ。




深「どこに行こうってんだい。」


『え?』





私が踏み出そうとしていたところは店の外。



私達花魁は許可を取らなければ外には出られない







『あえっと、噂話を聞いていたのさ。』


深「噂話ねぇ。」



『ラウール殿の話だったけどもっと聞きたいって思って。』



深「いつもなら噂話なんて気にしない菊花が奇妙なことだなぁ笑」




『もう!うるさい!』



からかわれたことにムカついて親父さんの横を


ドカドカと足音を立てて私は部屋に戻って行った









深「菊花にもそろそろ水揚げの時が来る。


その時は最愛の人と合わせてやりたい。もう少しだよ。

頑張れ"人1"」






親父さんがそんな事を思っていたことを私はしらない。

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作者名:浜辺の教科書 | 作成日時:2020年5月20日 3時

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