式神になってみないか？(禪院甚爾)

29 ページ31

甚爾side



コイツと殺りあってどれくらい経ったのか分からねぇ



ただいまはお互いの命の賭けた戦いに浸るのが心地いい



金属のぶつかる音

皮膚を切り裂く感触

自身から溢れ出るドス黒い血

全て全身全霊で受け止めるこの快感





甚「はっ....たまんねぇな」



「はぁっ...はぁっ....昔は稽古つけるだけの関係だったのに気づいたら夫婦になって.....今やりあって....不思議な人生だわ」









星漿体の暗殺には恵の存在もあった


前まではアイツの母親が死んで自暴自棄になり恵を捨てようさえ思ったが捨てきれなかった



何故だが分からなかったが何度施設に預けようか、売ろうか悩んだことか



恵「....ばーぅー」


甚「....っ....」





こんな最低な考えしかない俺の頬に小せぇ手のひらをのせて笑ってる姿を見て



甚「あほらし....」



自分の本当の心に嘘をつくのをやめたんだ






だが



"星漿体を殺れ。さもなくばお前のガキを禪院家で引き取る。子は持ってる側だろう？才あるものは育てる。お前はいらん。ガキを寄越せ"




"それと最近再婚したと耳にした。彌生家の刹那を持つ者だったか？ガキとセットで連れてこい"







あぁ、反吐が出る


こんなクソしかいない家から出て行ったのに俺の物をそうやって奪ってくのか



やっと見つけたのに


恵



A


悪りぃ。俺ぁ、お前らしからいらねぇんだわ






他のやつは関係ねぇ



お前らさえいれば









お前らだけでも生きてくれれば









甚爾side end

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す