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北「これは洗濯するとして、さて何を着るかだよな‥。このスエットいけるかな?着てみ。」
そう言って渡されたグレーのスエット。
頭をくぐらせるとタバコの香りと甘い香りが鼻をかすめた。
藤「あ、にいちゃんの匂いがする。」
北「え、臭い?」
藤「臭くなんてないよ、いい匂い。」
北「いい匂いなら良かった。臭いって言われたらヘコむもん(笑)手貸して、袖折ってやる。」
両手両足をそれぞれ数回折ってもブカブカのにいちゃんのスエットを着て。
ドライヤーで髪を乾かして貰う。
そして、
温かいコタツに入り、渡されたおにぎりを口に入れようとした時、
北「ちょい待ち。」
藤「?」
北「太輔、いただきますって知ってるか?」
藤「いただきます?」
北「そう。動物や植物にも命があるだろ?」
藤「猫とか?たんぽぽとか?」
北「んー、そんな感じ(笑)でも猫は食わないから、まぁ例えばこのおにぎりだったら、米とか海苔とか塩とか鮭とか。」
藤「うん。」
北「そうだなー、あなたの命を頂いて、私の命に代えさせて頂きます。そして、この食べ物が俺たちの口に入るまでに関わった、すべての人にありがとうって感謝の意味だな。」
藤「へぇーそうなんだ……」
食べ物なんてお腹を満たすだけのものだと思っていたけど‥そっか。
初めて知る事に、なんだか今までなんの感謝もせずに口に入れていた事が申し訳なくなった。
北「それじゃ、いただきます。」
藤「いただきます!」
北「よく出来ました。(笑)」
そして、お腹いっぱい肉まんやおにぎりを食べた。
その日は、にいちゃんと一緒の布団でにいちゃんの香りと温もりに包まれて眠った。
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いろ果(プロフ) - あこさん» あこさん、初めまして♪コメント有難うございます!泣かせてしまい申し訳ありません(TT)でも、そう言ってもらえてとても嬉しいです!続編も亀更新ながら楽しんで書いていこうと思いますので、引き続きお付き合いいただければ幸いです(´∀`*) (2019年3月11日 16時) (レス) id: 8fe91de33d (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - いろ果さまはじめまして。心に沁みる素敵なお話に泣きながら一気に読みました。続編も楽しみにしております! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)
いろ果(プロフ) - tsubakichanさん» ただ、今まで真面目だったのでお遊びで書こうとしておりまして…期待に添えなかったらすみません(汗)またお付き合いいただけるよう頑張りますp(^_^)q (2019年2月10日 20時) (レス) id: 8fe91de33d (このIDを非表示/違反報告)
いろ果(プロフ) - tsubakichanさん» tsubakichanさん、今までお付き合いいただきありがとうございました!そして沢山のコメント、本当に励みになりました(*´∀人)ハピエンをモットーとしているので、藤ヶ谷くんの片思いで終わらせたくなー、と(^^) (2019年2月10日 20時) (レス) id: 8fe91de33d (このIDを非表示/違反報告)
tsubakichan(プロフ) - 久々にドップリはまり込んでいた小説でしたので、終わっちゃう…いやだ!いやだ!寂しい!って、思っていたら、っん!?何やら期待できそうな終わり方だな〜って、続編あるんですね!☆太ちゃんが、どう攻めていくのか…凄く楽しみ!ありがとうございます。 (2019年2月10日 7時) (レス) id: 546497211d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いろ果 | 作成日時:2018年9月17日 21時