Twenty-threemirror ページ25
貴方side
ギィ
椅子が引かれる音がした。マンちゃんは立ち上がって私に近づく。
私の前に手が差し出される。
os「きっとAも好きになるめぅ。おしゃれして会いに行こう。」
『、、う、ん。』
彼の緑の瞳があまりにキラキラしてて、思わず頷いてしまった。
os「これなんかどうめぅ？Aに似合いそうやけど。それともこっち？」
マンちゃんが選んでくれる服はとっても可愛くて綺麗だった。私がいつか憧れたような煌びやかな服。
でも、なんだか胸がチクリと痛くて。
os「うーん、このカチューチャはどうめぅ？金髪に映えて可愛いで？」
っ！！
マンちゃんが手にしたカチューチャを見る。黒いリボンのついたカチューチャだった。
無意識に手が伸びていた。お祖母様がくれた私の宝物。
でも、
os「、？、、いらないめぅ？」
『、、ええ、ごめんなさい、私やっぱりこのままでいいわ。』
伸ばした手を引っ込めた。
これは私のものじゃない。
あのカチューチャはあれじゃないと意味がない。お祖母様の形見だから。私が愛されていた唯一の証だから。
『マンちゃんが選んでくれた服は全部可愛くて、綺麗で。見ているだけで楽しかったわ。』
ありがとう。
言うと彼は怒るわけでもなく、ただ微笑を浮かべていた。
『マンちゃん、？』
os「やっぱりAやった。お手をどうぞ、城にご案内いたします。“アリス”」
『えっ、！マ、マンちゃん！！！』
お手をどうぞなんて言いながらマンちゃんはまた自分から私の手を取った。
(アリス？私はAよ、？)
口から出る前に私たちは光に包まれた。
薔薇の香りを乗せた暖かい風がスカートを揺らす。
目を開けるとそこはバラ園だった。
『うそ、また1人？マンちゃん？』
彼はどこにもいない。しかもバラが迷路のようになっていて出口がわからない。
『ど、どうしよう。また迷子だわ。』
声が聞こえた。
?「うわやっべ！！やらかしたわ！！チーノ！手伝ってや！！」
?「はぁ⁉何やってんねん！！時間もうないで⁉」
?「こんなんもう、ペンキで塗るしかないやろ！！」
?「これでトントンにばれたら大先生のせいやからな！！」
(なんだか大変そうね。手伝ったほうがいいかしら？)
声のする方へ進むと男の人が2人、白いバラに赤いペンキを塗っていた。
よほど焦っているのか薔薇の木の下にペンキが滴っている。
これではすぐにばれてしまうだろう。
『あ、あの、よかったら手伝いましょうか？』
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たるる(プロフ) - 愛月咲良さん» 有難うございます！！嬉しい限りです。この作品と出会ってくれて有難うございます！！！ (2021年8月2日 22時) (
レス) id: 6b45a8b4d9 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - すっごく好きです…！！この作品と会えて凄く嬉しいです！ (2021年8月2日 9時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たるる | 作成日時：2021年4月19日 17時
