大いなる母＿ﾒﾛｰﾈ☆ ページ10
軽く二回ノックが聞こえる
＿あの男だ
「やぁ...今いいか？」
「まだ返事してないんだけど」
「すまない、今日も頼むぜ」
彼は長い金髪を掻き上げてベッドで本を読む私の隣へ椅子を運び、そこに座った
私の言葉は完全無視＿いつものことだけれど
私は彼、もといメローネの方を一瞥して、本棚からゆっくりと別の本を取り出した
北欧に伝わる神話の本で、それをペラペラと捲っていくと一つだけ古いページがある
ロキ、という北欧神話上の悪神についての話だ
メローネは早く読んでくれ、と急かすように私の服の袖口を握る
その手はゾッとする程冷たかった
私は物語を感情を込めずにまるで機械が喋るように発していく
それは外の酔っ払いの喧騒と程よく溶け合っては消え、彼をどんどん呑み込んだ
かわいそうに、メローネを見て素直にそう思った
幻想に浸っていつまでも抜け出せないでいる
ホントに哀れで、可哀想で、それでいてとても素敵
「＿はい、終わり」
「あぁ...もう終わりか」
メローネは私の太腿辺りに突っ伏して悲しげな目で見上げてくる
この時間が私は好き＿唯一メローネが私をAだと認識してくれる瞬間
メローネは幼い頃に母親を殺している
さして私は驚かなかった、何かそんな感じではないかと予想していたから
彼女はメローネの父親と離婚してから完全に荒み、荒れきって
お酒に留まらず麻薬や男に片っ端から手を出した挙げ句、
私は彼女を最低だとは思わなかった
大抵どこも同じような親だ＿私も、みんなも
そう、みんなそうだ
私も親を殺しているけれど後ろめたさなんてこれっぽっちも感じていない
だけど母親の怨念を背負い、愛情を求めるメローネは以前彼が"一度だけ"受けたという母親の愛をもう一度味わいたくて
私の彼に対する気持ちを利用して、こうやって毎晩毎晩本を読んで聞かせてくれと頼んできた
本当に哀れで、酷い人間
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RIOT(プロフ) - こちらの作品を読んで頂きました皆様、誠にありがとうございました。本日をもちまして、この小説は続編に移行することとなりました。今まで読んでくださり、ありがとうございました。続編でお待ちしております。 (2019年2月11日 16時) (
レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 高杜さん» ありがとうございます〜！結局夢主も依存してるっていう共依存になっちゃったんですけど、凄く楽しく書けたので良かったです。是非これからもよろしくお願いします！ (2019年2月11日 15時) (レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
高杜(プロフ) - フーゴくんのお話とっても良かったです…！！本当にありがとうございました！これからの更新も楽しみです、応援しています！ (2019年2月11日 12時) (レス) id: c2df969f37 (このIDを非表示/違反報告)
あいすすとろべりー(プロフ) - またリクでブチャラティとアバッキオが夢主ちゃんを取り合いする奴をお願いします！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
カト☆(プロフ) - またまたリクエストよろしいでしょうか...？！よろしかったらポンペイ組をお願いします！ (2019年2月10日 3時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：RIOT | 作成日時：2019年1月17日 18時
