police wannabe ＿ｱﾊﾞｯｷｵ☆ ページ4
「アバッキオさん！」
「...」
私は大きな背中の彼に声をかけた
広く大きな背中にパリッとしたシワ一つない制服が良く似合う
アバッキオさん以上にこの制服が似合う人間なんて恐らくこの世にはいない、そう思えるくらい様になっていた
「今帰りか？」
「はい、アバッキオさんはお仕事ですか？」
そうだ、と頷く彼にお疲れ様です、と労いの言葉をかけて恐る恐る見上げる
端正な顔立ちをより一層引き立てるように引かれた紫のルージュがとても似合っている
私もこんな素敵でカッコいい人間になりたい、何度も思ったことをまた思ってしまった
「なんか付いてるか」
「あっ...！いえ、なにも...！」
アバッキオさんをじっ、と見ていたせいで彼に訝しげな目を向けられる
恥ずかしくなって手で顔を覆いながらチラリ、とまた彼を伺った
何だろう私、変態みたい...
惚けてぼーっとしている私に向かってアバッキオさんは再び訝しげな目を向けると一つ息を吐いて
「最近は此処等も物騒だからな、気をつけて帰れよ」
そう言ってポンポン、と頭を撫でた
アバッキオさんに撫でられた頭の辺りから何かがしきりに発熱しているような感覚に陥って咄嗟に顔を両手で覆った
恥ずかしすぎて死にそうだ、あのアバッキオさんに頭を撫でられるなんて＿
「...さっきからどうした」
「い、え！何でもないです...！」
平生を装ってみるが今の私には無駄な努力だった
ぶんぶんと勢い良く振った首が痛い
明らかに挙動不審な私を見てアバッキオさんはクスリ、と笑いを溢すと
「元気なのは良いことだが、あんまりフラフラすんじゃあねーぞ...あぶねーからな」
「は、はい...」
そう言って私の額に一つデコピンをする
それじゃ、と自分に出来る限り精一杯の笑顔を彼に向けて私はその場を逃げるように走り去った
顔全体に広がった熱は収まる気配を見せない
こんなただの学生があんなに素敵でカッコいい警官に話して貰えるなんて、あぁ自分はなんて恵まれているんだろう
私は舞い上がる気持ちを押さえつけて夕日の照る通学路を駆け上がった
明日も会えるだろうか
そんな願いを裏切るように、私はそれから一度たりともアバッキオさんと喋ることはなかった
そして二度と会うこともなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【ジョジョ５部】In una notte insonne �供效司埆検� 【ジョジョ5部】Another killer Brezza Rrimaverile Michelangelo【5部】もっと見る
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RIOT(プロフ) - こちらの作品を読んで頂きました皆様、誠にありがとうございました。本日をもちまして、この小説は続編に移行することとなりました。今まで読んでくださり、ありがとうございました。続編でお待ちしております。 (2019年2月11日 16時) (
レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
RIOT(プロフ) - 高杜さん» ありがとうございます〜！結局夢主も依存してるっていう共依存になっちゃったんですけど、凄く楽しく書けたので良かったです。是非これからもよろしくお願いします！ (2019年2月11日 15時) (レス) id: b929e6efef (このIDを非表示/違反報告)
高杜(プロフ) - フーゴくんのお話とっても良かったです…！！本当にありがとうございました！これからの更新も楽しみです、応援しています！ (2019年2月11日 12時) (レス) id: c2df969f37 (このIDを非表示/違反報告)
あいすすとろべりー(プロフ) - またリクでブチャラティとアバッキオが夢主ちゃんを取り合いする奴をお願いします！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: d243ef7454 (このIDを非表示/違反報告)
カト☆(プロフ) - またまたリクエストよろしいでしょうか...？！よろしかったらポンペイ組をお願いします！ (2019年2月10日 3時) (レス) id: f4cd32f168 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RIOT | 作成日時：2019年1月17日 18時
