No body

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＃10th ページ11

「なあ、A」

『お･･･突然だね。
　てことで早く帰れよ。
　というか、今日は授業無いでしょ。』

「そうだが･･･一つ訊きたいことがあるんだ。」

『また？
　多いなあ。』

「申し訳無いな。
　でも、これが最後だから。」

『そう。』

「Aは･･･。

　好きな人って、居るのか？」

『･･････もう、何の冗談？
　勘弁してよ。』

「･･･A？」

『好きな人なんて、そんなの･･･。
　居るわけない。
　そんなことにいちいち現を抜かしたくない。
　馬鹿げてる。
　くだらない。
　初めて人を好きになって幸せになった？
　お前も幸せかって訊きたいワケ？
　調子乗んないでよ。
　自分の価値観を押し付けないで。
　こっちは恋愛とか、これっぽっちも
　興味無いのに、今まで相談乗ってきて？
　それだって言うのに、
　好きな人は教えたくないだ？
　冗談キツいって、ホント。
　もう来ないでよ、お願いだから。』

「･･･そうか。」

『そうだよ。』

「じゃあ、俺はもう帰る。」

『さよなら。』

『･････････こんな気持ちになるなら、
　会いたくなんてなかったのに。
　轟の、ばか。』

　げほげほっごほっ、う、げほっ、げほっ。