Story7 ページ7
荒木田「A...元気か...?」
当たり前だが、仏壇に話しかけても返事は返ってこない。
尾澤の母「蒼ちゃん、お仕事忙しいのにわざわざありがとうね。Aも喜ぶわ」
荒木田「いえいえ...もう少しで、犯人がわかりそうなんです。Aとおばさんの為に、犯人を捕まえられるよう頑張ります」
おばさんに案内してもらって尾澤の部屋へ入る。
ドアを閉めて振りかえると尾澤が居そうな気がした。
荒木田「A...ごめんな」
あの時、自分が意識を失っていなかったら...守れていたら...今、尾澤は生きているかもしれない。
それか、尾澤だけ生かすことができたかもしれない。二人とも殺されていたかもしれない。
どれだけ悔やんでも悔やみきれない。
じわじわと涙がこみ上げてくる。
もう、泣かないって決めたのに。
思い出す度々に泣きそうになる。
俺は、どれだけ尾澤が好きだったんだよ。
気がつけば夕方になっていた。
尾澤の母「蒼ちゃん、今日は本当にありがとう。またいつでも来てね」
そう言って、おばさんは紙袋を俺に渡した。
尾澤の母「この後もお仕事だろうから晩ご飯よ。よかったら食べてね」
荒木田「はい。ありがとうございます。」
紙袋の中からはハンバーグのデミグラスソースの香りがした。
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作者名:こたらむ | 作成日時:2019年11月10日 21時