保健室の濱田先生【紫】 (ページ11)

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１１. 。ページ11

あれから夏休み前日。

特に変わらない生活を送っていた。

『ねえ、先生』

濱田「ん？」

『夏休み会いたいです』

濱田「無理やな」

うわ、棒読みすぎる…無感情…

やっぱり先生と生徒で会うのはまずいのかな

『先生に会えないとか干からびます…』

濱田「補習あるんやろ？」

『あ、！そうだった…』

濱田「ま、その2週間はまだ学校おるからもしかしたら会えるかもな？」

"わざわざ保健室来るなよ～"と怠そうに言う先生

そんなの、来いって言ってるじゃん…

いや言ってないんだろうけど…

『ふふ、行きますね』

濱田「迷惑」

『嘘つかないでくださいよ～！』

濱田「嘘つくほど暇ちゃうねん」

持ってた書類でバシッと頭を叩かれる。

そんなことでニヤニヤしてる私はドMなのか…

濱田「ほら、もう帰れ」

『えっ、もう！？』

濱田「時計見てみ」

慌てて保健室の時計を見ると、

あっという間に17時になっていた。

明日から夏休みで会えないのに…

一気に寂しさに押しつぶされる。

『明日から夏休みですよ？』

濱田「知ってる」

『会えないじゃないですか、！』

濱田「騒がしいな、ほんま」

そう言うと、先生は座ってた椅子から立ち上がった。

濱田「なら保健室くればええやん」

『…えっ、』

先生は"暗くなるからはよ帰れ"と言いながら、

私の後ろに回って背中を押してきた。

保健室、来ていいんだ…

その日の補習乗り切ればご褒美待ってる…

先生の一言で、私は分かりやすくテンションが上がった

『補習で良かった～』

濱田「あほか、補習はあかんやろ」

『だって先生に会えるもん！』

濱田「ほんま単純やな」

呆れながらも、先生は私を玄関まで見送ってくれた

よしっ、明日も頑張ろう。

先生に会えるなら何でも頑張れるような気がした。