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美桜「これね！おもちゃ見て！！」
美桜ちゃんが棚からおもちゃ箱を引っ張り出して 嬉しそうに自慢してる。
美桜ちゃんは、幼稚園に通ってるんだよね。
さっき風磨くんが迎えに行ってたし、可愛い制服着てたし。
美桜「これね、おにーちゃんに買ってもらったの！」
そう言って 見せてくれたのは 女の子は誰しもは見ていた アニメの変身グッズ
こういうの、欲しくなる時期あるよねぇ、分かるよ。
私も持ってたもん。
「へぇ、すごいね！可愛い、美桜ちゃん似合ってる！」
美桜「美桜、いい子にしてたから おにーちゃんかってくれるの！」
「美桜ちゃん、風磨お兄ちゃん好き？」
美桜「だーいすき！！！おもちゃかってくれる！」
あ、そっちなのね…
風磨くん、可哀想…笑
でも 優しいなぁ。
妹のために こうやっておもちゃを買ってくれるお兄ちゃんなんて。
私は一人っ子だから 兄妹という存在が羨ましい。
美桜「あとね！これ、カード！」
普段 遊び相手がいないのかな。
美桜ちゃん楽しそうだけど ちょっと寂しそう。
でも 風磨くんや弟くんがいるはず、
それに お母さんとお父さんだって…
まだ こんなに小さいんだから、面倒見てあげるもんじゃないの？
美桜「おねーちゃん、明日もきてほしいぃ…」
「え、明日も？」
美桜「おねーちゃんと、一緒がいい…」
しばらく一緒に遊んでいたけど、突然 そんなことを言い出した。
ぎゅうっと、私の腰に抱きつく美桜ちゃん
「風磨お兄ちゃんは、？
一緒に遊ばないの？」
美桜「おにーちゃん…おもちゃは買ってくれるけど、一緒にはいてくれないもん……
みんないそがしいから 美桜がね、がまん、しなきゃいけないんだって……」
まだ幼稚園児の女の子にこんなこと言わす？
風磨くんのお家も事情抱えてるのかな…
人ん家の事情に首を突っ込むわけじゃないけど、なんだか 美桜ちゃんが普段から寂しい思いをしてるのは 私としても悲しい。
「美桜ちゃん……、我慢なんてしなくていいんだよ。
わがままいっぱい言ってもいいの。」
美桜「おこられちゃうよ…」
「………」
風磨「美桜ー、飯の時間だから それ、片付けて。
Aに迷惑かけないで。」
美桜「かけてないもんっ！！」
風磨「はぁ…」
やっぱりこの家も 訳ありな感じだ。
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作者名：ゆう | 作成日時：2020年11月30日 22時
