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中島先輩がスマホを取り出して 誰かに電話をした数分後
外からバタバタと大きな音がして、そのあとすぐに病室の扉が開いた。
風磨「A…！！」
ふうまくんだ……
私がだいすき、な、
風磨「A！！」
私のそばまで 駆け寄って、ぎゅっと抱きしめられた。
あたたかい……
凍りきった心が だんだんと溶けていくようで
そっかぁ…
私が欲しかったのは この温もりだったんだね
風磨「A……よかった…、、
本当にっ……、、」
風磨くんが泣いてる声なんて初めて聞いた。
いっつも意地悪で 無愛想で、
出逢った頃なんて 返事すらしてくれなかったくせに…
今じゃ 風磨くんのことが好きで好きでたまらない
考えても考えても 頭の中に風磨くんがいる。
一人 死にたくなった夜も
一人 私を嘲笑うかのように昇ってきた朝も
風磨「一人でいなくなろうとすんな……、、
こんなちっさい体で 全部抱えようとすんな…、」
「ごめんなさい……、
ふうまくんっ……、ごめんね……、」
風磨「大丈夫だから…。
Aのこと、一人になんて絶対しねぇから。
ごめんな…そばにいてやれなくて…」
「うぅん……、
だいじょうぶ、
だって 今、そばにいるもん……」
抱きしめてくれていた 風磨くんが少し体を離して 顔を見合わせた。
風磨くんの顔 涙でぐっしゃぐしゃ
多分、それ以上に 私も涙でぐっしゃぐしゃ
そっと、優しく頭を撫でてくれた。
ぁ、
でも…ちゃんと風磨くんたちには話さなきゃだよね…
ここまで来たら もう逃げられない。
逃げるつもりもないけど……
思い出したら また胸が痛くなる。
「ぁ……わたし……」
風磨「苦しいなら 無理に話さなくていい」
まるで 私の心を読んだのように 風磨くんが私の言葉を遮った。
「え……」
風磨「昨日、病院に来てた、Aのばあちゃんが。
そんときに、教えてもらった。
だから、もう大丈夫」
涙が溢れた。
恥ずかしいくらいに。
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作者名：ゆう | 作成日時：2020年11月30日 22時
