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風磨「A…」
「あ、きく…ふうまくん!」
お風呂から上がって タオルでガシガシと頭を拭いている
なにやら、不安げな表情だった。
私の隣に腰をかけて 親指で、濡れた頬をそっと拭ってくれた。
風磨「泣いてる…」
「あ。ほんとだ、」
「もしかして…さっきの電話聞いてた?」
ゆっくりと頷いた。
やっぱそうだったか。
だから、今不安いっぱいの表情してるのね。
「だいじょーぶ。そんな簡単に私はふうまくんから離れない」
風磨「俺…単純だから、その言葉そのまま信じるよ……?」
「信じてもらわなきゃ困る。」
風磨「やっぱり、俺ら付き合うのやめよっか。」
「は……?」
やめてよ…
なんで、急にそんなこと言うの、
ちゃんと、勝利とは友達でいるってなったんだよ?
「いやだ、なんで…」
風磨「結婚しよっか。」
「え……?」
風磨「そしたら、ずっと一緒。」
「ほんとに……?」
風磨「近いうちにはしたいって考えた。
ごめんな、指輪とか花束とか何にも用意せずに…」
「そんなの今じゃなくたっていいよ…!
ほんとに…?私、結婚していいの…?ふうまくんと…」
風磨「Aがいい。Aじゃなきゃ、嫌だ。」
あぁ、なんでこんなに涙が流れるの。
涙のせいで視界がぼやけて 大好きなふうまくんの顔が見えないよ。
急いで擦って涙を拭いた。
風磨「擦らないの。可愛いおめめなんだから」
「ふまくんっ、」
抱きついた。
こんな幸せな瞬間 今、世界中どこを探しても ここしかないと胸を張って言える。
私には こんなにも 私のことを思ってくれる人がいる。
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作者名:ゆう | 作成日時:2020年9月6日 22時