薬指に契約を【文豪ストレイドッグス】

隣国 ページ4

あの後、人魚さんは急に海へ潜ってどこかへ行ってしまった。

もう少しお話してみたかったな…

人魚さんは返事してくれなかったけど…うぅ。


仕方ないから、砂浜を適当に散歩してから城へ帰った。このあと、政治についての授業があるから、準備しておかないと。

政治経済の知識は、将来のためにもしっかり身につけて置かなければならない。

王家に生まれた以上、いつかはどこかの国へ嫁ぐことになるだろうから…



『あぁ…お嫁さんに行ったら、もうここの砂浜も散歩できないのかなぁ』



裕福な暮らしをさせてもらってるんだから、贅沢は言っちゃいけないんだけどね。

民衆の為にも、王女としての使命は、しっかり果たさなければ！


そうだ、お父様に手紙を書こう。

私が人魚に会ったってことを知ったら、きっとびっくりするだろうなぁ。


ーー
ー



午後の授業が終わり、紅茶を飲んで休憩していた時だった。


「すみません、お嬢様。お手紙が届いています」

『持ってきてくれたの？ありがとう。どなたから？』

「太宰様からです」



召使いの一人が、手紙を持ってきてくれた。

太宰王子。彼は隣国の王子で、じきに国を継ぐことになっているらしい。

私の国と非常に良い関係を築いてくれているし、お父様も彼のことを気に入っている。

私とも仲良くしてくれているので、彼から手紙が届くことも珍しくはない。


手紙を受け取り、中を開いてみると、小さなアクセサリーと手紙が出てきた。


ーーー

Aへ

久しぶりだね、元気かい？

君のことだから、大好きな海で毎日遊んでいるのかな？前に、街へ勝手に繰り出して、君の父上に怒られたこともあったよね。
ちゃんと勉強もしなくては駄目だよ？
私は変わらず元気に暮らしているよ。でも、君に会えない日が続いて退屈かな…そうだ、今度君のところへ遊びに行くよ！
たくさん遊ぼうね、早く君に会いたいな。

未来の旦那様より

p.s.
同封したアクセサリー、私の国で最近採れた珍しい宝石が埋め込まれているんだ。気に入ってくれたら嬉しいよ。

ーーー


“未来の旦那様”って…確かに、彼も候補の一人に入っているらしいけど…こんな恥ずかしいこと、よく書けるなぁ。

このアクセサリーも、そんなに高価なもの使ってるなんて。なんだか、申し訳ない。

我が国の自慢である蟹を用意して、おもてなししなければと思った。

捧げ物→←人間の女　中也side

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す