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興味 視点off ページ22

夕食後、Aは用事のため別室へと移動していた。王女である彼女は、それなりにやるべき事があるので、こういったことは珍しいことではない。

そしてAの部屋には、彼女の帰りを待つ二人の人影があった。



「…手前、自分の部屋あるだろ」

「中也だってあるじゃないか。出て行きたまえ」

「手前が先に出てけよ」

「どっかの変態がAの部屋で悪戯しないように見張ってるんだよ」

「俺は変態じゃねェ!」



バンっとテーブルを叩く中也。机上に飾られていた花瓶の花が、振動で少し揺れる。

そんな中也を特に気にする様子もなく、本のページをめくった太宰。しばらくして、不意に口を開いた。



「……海が恋しいのかい?」



それは、窓越しに夜の海を眺めていた中也に対する問いだった。



「はっ、俺は自分から望んでここに来たンだよ。そんな訳ねぇだろ」

「あっそ」

「心配でもしたか?手前は黙って本でも読んでいやがれ」

「ね、君がこの国の海を守ってたの?」

「あ?だったら何だよ」

「守ってたんだね?」

「うるせぇ。話しかけんな」



中也はそう言って強引に会話を切った。海へと視線を戻し背を向けた中也に、太宰は何かを勘付いたように口を開く。



「君、なんだか私とあんまり話したくないようだね」

「当たり前だろ。俺は手前じゃなくてAと一緒にいる為に…」

「“契約”…って知ってるかい?」

「…は?」



“契約”。

その言葉に、明らかに反応した中也。
しかし、そのことに悟られないようにと誤魔化している様子だった。

それを見て、太宰の予想が確信へと変わる。



「さて、中也…実は君に対して興味があってね…

人魚とこの国の歴史について、知ってるかい?」



中也の瞳が、鈍く光った。

暗い海→←晩餐


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ヨモギ雲(プロフ) - チョコさん» こんにちは、コメントありがとうございます!4期見ています!出番が少ないながらも、相変わらず中也さんかっこいいですね…!✨ (2023年3月30日 23時) (レス) id: 8cd691db0d (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - この話し面白くて見てます!そういえば、文スト4期始まっていますよ!! (2023年3月21日 13時) (レス) @page25 id: d38db6c248 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - こちらこそ返事ありがとうございます。作者様のペースで大丈夫です。今後も期待しています! (2021年6月29日 18時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ユエさん» コメントありがとうございます!ダラダラ更新で本当に申し訳ないです(汗)頑張ります! 7月からでしたっけ…?一期がまた見られるらしいですね、楽しみです! (2021年6月29日 0時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ユエ - いつも楽しませてもらってます。そういえば文ストの再放送がやるみたいですよ。 (2021年6月28日 7時) (レス) id: 007fbd0124 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2021年1月22日 13時

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