花 ナイトメアside ページ4
【in Undertale】
シュンーーー
俺は今日も、花を片手にUndertaleの遺跡の前に来ていた。
数週間前から始まったこの習慣、全てはアイツにしてしまったことの謝罪のためだ。
直接会ってもいいのだが、あまり良い思い出じゃないだろうし、何より今幸せに暮らしているところに入っていく資格は俺にないだろう。
花を送るなんて柄じゃないが、"アイツ"に女は花だと言われたから…
そんなこと考えながら花を置こうとすると、いつもはないものを見つけた。
「…………なんだこれ…手紙?」
何となく手に取って眺める。
封には"届け人"宛だと書かれていた。
「………」
中身を取り出して読み終わったあと、俺はまた手紙をもとの場所に置いた。
内容には、
"花が届くのを毎朝楽しみにしている"や"あなたに会ってお礼がしたい"などと書かれていた。
「俺は感謝されるようなことはしてないってのにな…」
そう思うのと同時に、Aの日常にほんの少しでも楽しみを与えられていることが誇らしかった。
少し頬を緩めながら、俺は手紙の上に花を添えてその場を去った。
ーー
ー
【in Dreamtale】
「あれ、ナイトメア帰ってたの?」
「…」
「無視しないでよ」
今は荒れ果てた街の屋根に座る俺の隣に腰を下ろしたのは"ドリーム"。
しばしの沈黙が訪れる。
「…汚え街だな」
「昔はこんなんじゃなかったけどね。誰のせいだろう?」
嫌味ったらしくドリームは俺の方に目を向ける。
Dreamtaleのニンゲン達は俺が昔皆殺しにしたから、街はとっくに荒れ果てていた。今こそ空き家だらけだが、これでも昔は賑わっていた。
「でもさ、あそこは変わらないけどね」
そう言ってドリームが指差すのは、遠くに見える花畑。"感情を司る木"以外は綺麗だった。
「…まだAに届けてる?」
「…」
「女の子はお花が好きだし、きっと喜んでると思うよ」
「…」
無視を続ける俺に構わず話すドリーム。
あの戦いのあと、俺は帰る宛もなくAUの狭間を彷徨っていた。
その後、なぜかDreamtaleに強制送還された。
おそらくインクがAUの扉を封じでもしたんだろうが…。Dreamtaleで鉢合わせた俺に、ドリームは"兄さん"と一言溢した。
それから争いうこともなく、何となくこの世界でお互い過ごしていた。
そんな中だ、ドリームに花のことを提案されたのは。
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アンテ民 - すっげええええ、、、、、(´;ω;`)けどさいごカナシと言うか感動、、、!!!、、、、、 (5月1日 7時) (レス) @page47 id: 27c5077d73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - 晴菜さん» こんにちは、コメントありがとうございます!楽しんで頂けたようで嬉しいです…!そう言って頂けて、私も幸せでございます^^ (2022年3月29日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - とても感動して最後らへんは涙が止まりませんでした!私も読んでいて幸せな気持ちになりました!ありがとうごさいます!! (2022年3月29日 14時) (レス) @page47 id: 1dd0e30cdc (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - (★Д★)さん» コメントありがとうございます!楽しんで読んで頂けていたら幸いです…!悲劇と希望、両方を味わって頂けたらと思います^^ (2022年1月10日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ガメアさん» コメントありがとうございます!なんとか困難を乗り越えることができました…!最後まで二人を見守って下さりありがとうございます…! (2022年1月10日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2019年12月16日 16時