愛しテール！【Undertale】

お花の届け人 ページ30

サァァァア……ーーー


心地良い風が吹く。

廃墟の街を抜けたあと、小さな丘を登っていくと、目の前に広がったのは綺麗なお花畑。

あまりの美しさに目を見張る。

まるで天国。目に優しそうな、強過ぎない柔らかい色のお花が色とりどりに咲いていて、風で揺れている。



『凄い…ｯ！こんなに綺麗な場所があるなんて…！』



思わず走り出した。まるで昔のヤンチャな頃に戻ったように笑いながら。

私のあとを、ナイトメアはポケットに手を入れたままゆっくり歩いてくる。


花畑の真ん中に来たところで、私はそこに座った。お花のいい匂いを風が運んできてくれる。

花粉症じゃなくて良かった((



「やっぱりガキだな」

『仕方ないでしょ！こんなに綺麗なんだからそりゃテンションも上がるよ！』



ナイトメアは軽く笑ったあと、また口を開く。



「ここに来る前に言ったろ、花を届けてる奴に会わせてやるって」


そう言われて思い出した。足元のお花を見れば、私のところへ届けられていた種類がいくつか咲いていた。

ここがその人のいるAUだったのか…



「俺はもう嘘をつくつもりはないから、教えてやる。

だがその前に教えて欲しい…本当のことを知っても、お前は受け入れられるのか」



ナイトメアが、何故そんなに不安そうな目をして聞いてくるのか分からなかった。
だけど、私の答えに迷いはない。



『もちろん！私はその人がどんな人でも、ありがとうって言いたいの。
毎日お花が届くの、本当に楽しみだったから』

「そうか…」

『ナイトメア、ここがその人の住んでるAUなんでしょ？なんていうAUなの？』








「ここは、"Dreamtale"だ。」







その瞬間、電撃が走ったように感じた。


Dreamtaleの歴史については、前の戦争のときにクロス君から聞いた。

ここのニンゲンは、昔ナイトメアが皆殺してしまったから、今はドリームとナイトメアの二人しかいない。



お花畑に来る途中に通った廃墟の街。

それを見るナイトメアの、何かを思い出しているような眼差し。


どうして、気づかなかったのか。



…それじゃあ、ナイトメアかドリームの2択。

いいや、答えは目の前の彼の表情が物語っている。




「……花を届けていたのは、俺だ。…俺なんだ」



静かに告げるナイトメア。

青く発光する瞳が、私を捉えた。

ナイトメア→←諦められない

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