愛しテール！【Undertale】

あり得ない　ナイトメアside ページ21

「それでね、昨日Aちゃんのとこに遊びに行った時に…」


俺の隣に座ってずっと話しているドリーム。

…さっきからAの話ばかりしてやがる。俺は今丁度そのことで悩んでるってのに…うるさくて仕方がない。


「そしたら彼女がさ…」

「そんなに好きならAのとこ行けばいいだろ」

「え、じゃあ遠慮なく((「冗談だ」

…へ〜、ナイトメアも冗談言えるようになったんだね？いいことだよ」


ドリームが割とガチで行こうとして立ち上がったから、冗談だと言って引き止める。

…ドリームがAの話ばかりしているのが、なぜか気に入らない。
こいつはAが好きなんだから、話題にするのは当然だろ。なのになんで俺は…


その間もドリームは、目を細めてらしくない顔で、俺をからかうのを楽しむかのように見てくる。


「…そうそう、彼女好きな人がいるみたいだね」

「………そうだな」

「でもどうだろう？彼女を狙う者は多いから、もしかしたら気移りしちゃうかもね」


それを聞いた瞬間、俺のSoulが今までしたことがない変な動きになった。

明らかに様子の変わった俺に、ドリームは溜め息をついたあと、口を開いた。


「…もうこの際だから、思い切って聞くけど……

君、Aに恋してるんだよね？」



ドクンーーー



「はっ、その冗談笑えねぇぞ…」

「誤魔化すの？無理だよナイトメア。
"恋"はポジティブな感情の部類なんだ、僕は他者の感情を読み取れる。…君からも感じるよ？」

「………あり得ないだろ」


だが…口で言ったって、俺も鈍感じゃない。

自分が恋に近い感情を、無意識にアイツに向けているのではないかと前から薄々は思っていた。

でも、俺は"ナイトメア"。
"負の感情でできたモンスター"なんだぞ。

そもそも、恋なんてポジティブな感情が生まれるはずがないんだ。


「…君があり得ないと考えるのは僕も分かる。
でもさ、もしそれが本当に恋なら…

今のナイトメアになる前の君が、少しは生きているってことなんじゃないのかな」

「…つまり、俺は完全には負の感情に囚われていない。とでも言いたいのか」


そう聞くと、切なげに首を縦に振るドリーム。


「とにかく、その気持ち無駄にしちゃ駄目だよ。確かめもせずに、自分の中だけで片付けないでよね」


ドリームは言いたいことを全部言ったのか、その後すぐに立ち去った。

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