お手紙 ページ3
「姉さん何書いてるの?」
『手紙!』
机に座ってペンを走らせる私の手元をキャラは覗き込んだ。
宛先はもちろん、お花の届け人。
「"いつもお花をありがとうございます"…?
こんなもの書いてどうするのさ」
『ほら、何かお礼したいでしょ?だから玄関にこれを置いておくんだよ。もしかしたら貰ってくれるかも知れない!』
「馬鹿なの姉さん。昨日StoryShiftの奴に言われたんじゃないの?」
確かにむやみやたらに行動するのはいけないと教わったが、私も色々考えたうえで、お手紙という結論に至ったのだ。
例えると、クリスマスにサンタさんへ手紙を書いて、もらってくれるかな〜…くらいの感覚。
そこまで期待している訳ではない。
「知り合いに好かれるならまだしも、どこの馬の骨かも分からない奴に目を付けられて…
本当、姉さんって厄介事を引き付ける体質だと思う」
『本当?』
「本当」
ふぅ、と一息つくとキャラは背を向け部屋を出てへ行こうとする。
あ、おやつの時間か。私も行こうかな。
最近キャラにチョコを勧められてから、甘い物を食べることが増えた。辛党なのは今も変わらないけど。
私もキャラの後を着いていく。
「…まぁ、僕が口出しすることじゃないし、姉さんの好きにしたら。万が一の時は僕が守るし」
『え、イケメン!彼女出来たら私に見せてね』
「作らないいらない興味ない」
何その三原則みたいな。
私は…やっぱりよく分からないなぁ。付き合いたいとは思わないが、話してみたいと思うことはある。
まだまだ気になってる段階で、これは恋とは呼ばないんじゃないだろうか。
『ま、いっか!』
今は細かいことは気にせず、この心躍る感覚を楽しもう。
おやつを食べた後、手紙を書き終えて玄関に置いておいた。
明日の朝が楽しみで、私は布団に入ったあともしばらくワクワクしていた。
ーー
ー
【翌日】
『あれー…?』
翌日の朝、珍しく目覚まし一発目で起きた私は、落ち着きなく玄関に直行した。
けど、ーーー
『……手紙、残ってる』
目の前には昨日私が書いた手紙。そしてその上にはいつも通り花が添えられていた。
ちゃんと来てくれたみたいだけど、手紙は貰ってくれなかった。
軽く落ち込みながら、置かれている花と手紙を回収した。
せめて、中身は読んでくれていたらいいけど…。
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アンテ民 - すっげええええ、、、、、(´;ω;`)けどさいごカナシと言うか感動、、、!!!、、、、、 (5月1日 7時) (レス) @page47 id: 27c5077d73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - 晴菜さん» こんにちは、コメントありがとうございます!楽しんで頂けたようで嬉しいです…!そう言って頂けて、私も幸せでございます^^ (2022年3月29日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - とても感動して最後らへんは涙が止まりませんでした!私も読んでいて幸せな気持ちになりました!ありがとうごさいます!! (2022年3月29日 14時) (レス) @page47 id: 1dd0e30cdc (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - (★Д★)さん» コメントありがとうございます!楽しんで読んで頂けていたら幸いです…!悲劇と希望、両方を味わって頂けたらと思います^^ (2022年1月10日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ガメアさん» コメントありがとうございます!なんとか困難を乗り越えることができました…!最後まで二人を見守って下さりありがとうございます…! (2022年1月10日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2019年12月16日 16時