最後のチャンス マーダーside ページ11
あの後AとDusttaleの世界を回っていた。もちろん、モンスターの塵がないところを選んだ。
…そんなところ、Aにとっては辛いだろうからな。
「…A、最後俺の家に行こうぜ。近道使って」
『え…いいの?』
「あぁ。変なことはしないから安心してくれ」
『…じゃあ、寄ろうかな!』
笑顔で頷いたA。
…さて、近道を使っちまえば、さっきから俺達のことをつけて来ている"クソガキ共"に行き先は分からないな。
心の中で笑いながら、俺は近道を使った。
そこで俺は、想いを伝えようと思う。
ーー
ー
シュンーーー
「…A」
『ん?』
家について、俺はAと向き合った。
軽く微笑んでこちらを見るA。
初めて出会ったときから変わらない優しい笑顔に、相変わらずsoulが脈打った。
………これが、最後のチャンス。
「俺、お前のことが本気で好きなんだ。
今回デートしてくれて本当に感謝してる…正直に答えてくれて構わない。
………付き合ってくれ」
しっかり目を見て、手を差し出す。
Aは少し眉を潜めて思いつめたような顔をしたあと、悲しげな表情に変わった。
『………本当にごめんなさい、マーダー…、
私、やっぱりマーダーのことそういう目で見れない…っ…』
涙ぐんだ声でそう告げ、カバンを持っている手はぐっと握られていた。
Aの返答を聞いて、俺のsoulは少しずつ冷えていくような…縮んでいくような、そんな感じがした。
謎の緊張から開放されたと同時に、今まで感じたこともない感情がこみ上げる。
ただ、目の前のニンゲンを見てると、息が苦しくなった。
「…そうか。ちゃんと言葉で聞いて、やっとケジメを付けられるぜ…」
『マーダー…ごめん、本当に。今日は楽しかったけど…本当に楽しかったんだけど…っ、私……』
「もうそれ以上喋るな…」
恋愛経験0のAは、一生懸命俺を傷付けまいとする言葉を探している様子だった。
Aが泣き止んだ後、俺は次に会うときは友達だと伝えて彼女を家に返した。
「………………お前は本当に、俺の光だ。」
昔も、今も、
ーーーきっと、これからも…だ。
その日、俺は数年ぶりに涙を流した。
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アンテ民 - すっげええええ、、、、、(´;ω;`)けどさいごカナシと言うか感動、、、!!!、、、、、 (5月1日 7時) (レス) @page47 id: 27c5077d73 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - 晴菜さん» こんにちは、コメントありがとうございます!楽しんで頂けたようで嬉しいです…!そう言って頂けて、私も幸せでございます^^ (2022年3月29日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - とても感動して最後らへんは涙が止まりませんでした!私も読んでいて幸せな気持ちになりました!ありがとうごさいます!! (2022年3月29日 14時) (レス) @page47 id: 1dd0e30cdc (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - (★Д★)さん» コメントありがとうございます!楽しんで読んで頂けていたら幸いです…!悲劇と希望、両方を味わって頂けたらと思います^^ (2022年1月10日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
ヨモギ雲(プロフ) - ガメアさん» コメントありがとうございます!なんとか困難を乗り越えることができました…!最後まで二人を見守って下さりありがとうございます…! (2022年1月10日 21時) (レス) id: 4c88579f44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨモギ雲 | 作成日時:2019年12月16日 16時