高嶺の花をこの手にしたいっ！

華が三輪 ページ5

白銀は昨日の予告通りに
桜音の元へやってきた


白銀「狂犬ちゃん！」


桜音｢…｣

自分のことじゃないと思っているので
スルーをしている


白銀「狂犬ちゃん！」


桜音「…」スルー


白銀「きょーちゃんっ！」


桜音「…」またスルー


白銀「ねぇねぇきょーちゃん」

キラキラとした瞳で見つめてくる

が、しかしスルーだ｡どうやら自分の
ことじゃないと思っているのだろう


白銀「…きょーちゃんっ！」

それに耐え切れなかったのか
桜音に抱き着いた


桜音｢うるさい！さっきからなんだ！私は
狂犬でもきょーちゃんでもない！｣


白銀「だって名前知らないもん。
だからきょーちゃん、て呼ぶからね！」


桜音｢はいはい…｣


白銀「えへへぇ、きょーちゃん♪」すりすり


桜音｢スリスリするな｣


白銀「きょーちゃん♪」

頬にキスをしようとしたが


桜音｢やめろ｣

手で阻止されてしまった


白銀「んっ…」


桜音｢はぁ……｣

離れようとする


白銀「！」

が、その前に抱きしめた


桜音｢離せ｣


白銀「やだ」


桜音｢別にくっつかなくていいだろ……｣


白銀「私はそうしてたいの」


桜音｢私はそうしなくていい……｣


白銀「私はしてたいの！」むぎゅー


桜音｢はぁ……｣じたばた


白銀「えへへ」すりすり


桜音｢ほら、離れろ｣


白銀「えー」


桜音｢ほら｣じたばた


白銀「やーだ」


桜音｢やーだじゃない｣


白銀「やーだ！」


桜音｢離れろ！｣


白銀「やだ！」


桜音｢帰んぞ！｣


白銀「ぅ…」


桜音｢はぁ…しつこいのは嫌いだ……｣


白銀「ぅ…ごめん…」

その言葉にしゅん、とする白銀


桜音｢馴れ合うつもりはない｣


白銀「私はそのつもりだよ」


桜音｢馴れ合いたくない｣


白銀「確定にしないでっ」

とてもショックを受けた


桜音｢確定にする｣


白銀「そんなはっきりと言わないで…
でも来るからね」

めげない精神を持っている白銀､流石だ


桜音｢(勝手にしてろ…)｣


白銀「ふふ､もうちょっと一緒に
居てたいけど帰らないといけないから
またね！」

ニコッと桜音に笑いかけると去っていった


桜音｢ん、わかった(二度と来なくていい！)｣


桜音の内心を知らない彼はとても嬉しそうに

帰っていった

知らぬが仏とはこのことである

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