囚われし柱壱 (ページ7)

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第五話ページ7

『つ、、、、環、、様、、？』

驚きでぼろぼろと薪を落とす私に環様は残った左手をひらひらと振りました。

何があったのですか、と問う前に私はボロボロになった環様の体を強く抱きしめました。

環「心配かけてすまん。この包帯共は気にするな。」

『何があったのですか、！』

環「さて、土産を買ってきたんだ。見ておくれ。」

環様はそんなことよりもと言う私を抑え、小さな桐の小箱を広げました。

環「お前に似合うと思ってな、仕事がてら買ってしまったよ。」

箱から出てきたのは深紅の飾りが着いた、美しい耳飾りでした。

環「気に入ったかい？」

『っ。はい、とても気に入りました。ありがとうございます、環様。』

私はそっとその耳飾りを付けると、環様は優しく微笑み私の頬に手を当てました。

環「この目が見えればなぁ。きっとお前によく似合っているんだろうに、残念だ。」

環様はそれだけ言うと私の頬を撫で続けました。

その痛ましい姿に私はそっと目をつぶったのです。