囚われし柱壱 (ページ6)

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第四話ページ6

私を自分の家に連れ帰った環様がまず初めにとった行動は私に包丁を持たせるだした。

『環様、これは？』

環「これは、包丁と言って料理をする為の道具だ。」

環は私に料理を1から丁寧に教えてくれました。

「料理はいいぞ」というのが環様の口癖でした。

それからというもの、私はどんどん料理の腕を上げて行きました。

仕事から帰ってきた環様にも1人で食事をお出しできるところまでになりました。

環「上手いよ、A。」

環様がそう言って下さることが私の何よりの幸せでした。

環様は朝早く仕事に出かけ、夜遅くか次の日の昼間か、はたまた一週間後ぐらいにひょこっと帰ってくる。

何をしているのかお伺いしてもはぐらかすばかりで私に教えてはくれませんでした。

けれどある日、環様が一週間すぎても帰ってこなくなりました。

私は心配になっては料理をし、毎日二人分の食事を用意しました。

私は久しぶりに一人の孤独と言う物を深く感じました。

そうして、半年が経った頃に両目と右手に包帯を巻いた環様が帰ってきたのです。