囚われし柱壱 (ページ12)

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第十話ページ12

もう何時間、いや何日たったのかさえ分かりませんでした。

歩けば歩くほど闇は深くなり、その度に心は折れそうになるばかり。

そして、偶に感じる何が異様な気配がまた私を震えさせました。

環様はよく「闇に溶け込む際、飲み込まれてはならん。」と申されていましたが、今やっとその意味を理解しました。

闇という膨大で凶悪なそれが、私を飲み込もうとジリジリ狙っているのが目に見えて分かりました。

その時です、私は足を踏み外し更に下層の穴に落ちてしまったのです。

『い゛っ、、』

精神がすり減っていた私は着地をとることが出来ず、無様にゴロゴロと転がっていきました。

私はボロボロになった体を持ち上げそっと当たりを見渡しました。

『なんだ、この気配。』

その時何かが高速で向かってくるのが分かりました。

瞬時に刀を抜き、臨戦態勢に入るがどこから向かってきているのか気配で探るしかありません。

私は大きく息を吸い、呼吸を整えました。

そして、

『闇の呼吸、壱の型。暗黒鎮静！』

？「ギッ！」

それの首を斬ったと思ったが、暗闇で狙いを定められませんでした。

『外したかっ、！』

私の刃はそれの首には届かなかったのです。