小悪魔プリンス (ページ15)

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k『なんですかそれ。ヤバイですね』

「え？なに？」

k『先輩の眼鏡初めて見たんで(笑)』

「………くだらない」

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珈琲ショップを出る時。

「じゃあね」

って、わざと言った。

k『はい。おやすみなさい』

駅に歩き出した彼の、後姿を見ていたら。

k『あれ？明日って休みですよね？』

回れ右をして、進んだ数歩戻って来た。

「どしたの？」

k『一緒に居てもいいですか』

「帰らないの？」

k『え、いんですよね？
俺先輩の彼氏って事でいんですよね？』

「そうなったみたいだけど」

コートのポケットにつっこんだままの腕を掴むと、

k『じゃあ。繋いでもいんですよね』

って、指を絡ませた。

「……あたし帰るけど」

k『え゛〜。あっ、俺も行っていいですか？』

「何しに？」

k『何って……いっ、一緒に居たいんですよっ』

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「ゆうた君自前？目、いいの？」

k『あ、そうですね。普通に見えます』

「ふぅん。珈琲……飲んじゃったね。
紅茶にしよっか」

k『はい』

ふぅんとか、へぇ〜とか言いながら、きょろきょろしている彼に。

今日泊まりますよね？
って、聞くべきかを考える。

このくらいの歳の子は、何が普通で何を考えてるのか。
何も知らない。

　

「どうぞ。お砂糖は？」

テーブルにカップを置くと、

k『先輩っ』

「ん？」

k『今日、泊めてもらってもいいですか？』

タイミングよく、してもいない質問の返答が来た。

「ふはっ(笑)」

k『なんすか(笑)』

「ごめん。いいよ」

k『やった(笑)』

大きく開く口と、くしゃくしゃな笑顔を見る度に。

彼の、育った環境を思う。

「あ、そうだ。コレ使う？」

ルームウェアを持って来ると、怪訝な表情になった。

k『………先輩のじゃないですよね』

「クリーニングはしてあるけど……やっぱ嫌？
たまに来る弟用なんだけど」

k『え、弟？いたんすか？
あ、かりますっ。全っ然かります！
なんだ〜元彼のかと思っちゃいましたよ〜』

もぉ〜って言ってる彼の、横顔が。

あまりにきれいで。

いつかの夜を、思いだす。

もう

いいのかな。

彼に触れたい。と思っても、

許されるのかな