02. ページ2
「お腹減ったぁ」
テナントが入ってるビルから近いコンビニへ入ると、お昼時とあって混雑していた。
サンドイッチとカフェラテ…あとは…ヨーグルトとチョコレート。
レジの列に並ぶと、
k『お疲れ様です』
後から聞こえた声を振り向く。
「あ、……と」
k『岸です(笑)』
「そうだ。ゆーた君」
k『え、あ？』
「違ったっけ」
k『違いませんちがいませんっ』
にこっ。と音がしそうな程。
彼は、いつも。ちゃんと笑う。
k『あのっ』
「なに？」
コンビニからは当然、同じ道を通る。
k『……いい天気ですね』
「うん」
k『何か……もったいなくないですか？』
「え？」
k『どっか……行きたいっすね』
陽の光を受けて。
透き通るほどの白い肌。
形のいい鼻と、キラキラと光る明るい髪。
その、どれもが。
あたしには、眩しかった。
「それもいっかぁ……」
k『え？』
「や。それもありかなって」
そろそろと寄ってくると、
k『マジですか？行きましょうよ』
って。
なぜか小声で言った。
「あ、でも。オトナだから。
サボるのはなし。有給出して来よ(笑)」
k『そっすね(笑)』
片手に、コンビニの袋。
もう片手には、今日片づけるハズだった書類が、ずっしりと詰まったバック。
何で、こんなコトになっているのか。
よく解らないけど。
彼が、空を見上げなければ。
あたしは、空があることすら、忘れていた。
彼が、笑わなければ。
あたしは、声に出して笑う。というコトを、出来ないままだった。
少し先を歩く彼の、細い背中を見る。
そういえば。
彼のコトは何も知らない。
や。
知らなくていいんだ。
「ゆーたくん、」
k『っ(笑)』
ツカツカと戻って来ると、
k『あの、それなんですけど』
「ん？」
k『何てゆうか……』
下唇を噛んで、何かを考えているふうで。
k『くすぐったいんですよ(笑)
だって。先輩だけですもん、そう呼ぶの(笑)』
何て、顔をするんだろう。
身体の、奥のどこかが。
熱くなって。
上手く、言葉が出てこない。
k『あ、でも。やっぱいいです』
「ん？」
k『それって、特別だし(笑)』
そう言った、くしゃくしゃの笑顔が。
やっぱり眩しかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とあ | 作成日時：2018年11月9日 15時
