ハツコイー2ー (ページ5)

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n『何かいる？』

途中のスーパーで、飲み物をカートに入れながら、二宮くんが聞く。

「チョコレート」

n『すきだね(笑)』

チョコレートの棚まで、カートを押した彼が、

n『……あった。』

あたしより先に、欲しいモノをみつけた。

n『シフト。あんまりあわないね。』

重たいビニール袋を下げて、並んで夜道を歩く。

「そうだね」

ほんとは、わざとなんだけど。

なるべく、会わないように。

だから、今月のバイト代は、ちょっと少ない。

n『帰り、気をつけてね。』

「え？」

n『寒くなったから。風邪ひかないように。
あと、』

「大丈夫だよ(笑)」

彼の言葉を、さえぎってしまった。

彼は、優しいから。

下手な言葉をかけられると、単純なあたしは、
また心が揺れてしまう。

a『今日は豆乳鍋にしましたー♪』

大げさに蓋を開ける相葉くんの笑顔は、
やっぱりあたしを安心させる。

「わぁ、美味しそう」

a『まりちゃん好きだもんね』

「うん(笑)」

a『熱いから気をつけてね？』

皆に取り分けてくれた相葉くんが、一口頬張ると、

a『あっちっっっ』

って、1番先に騒ぎ出した。

n『お前がそれやるの？(笑)』

「気をつけてって言ってたじゃん(笑)」

a『ごめんごめん(笑)
やーこれ火傷したわ』

n『やだヤだ。ほんとうるさい(笑)』

笑いながらため息をつく二宮くんが、ケホケホと咽る。

「嫌われちゃったね(笑)」

a『ね(笑)俺はにのちゃん大好きなのにおかしいなぁ』

「あははははっ(笑)」

あたしも、相葉くんも。

二宮くんがだいすきなのに。

おかしいね。

彼の思いの先は、別のトコロにある。

a『ほんとに泊まってかないの？』

「明日学校でしょ(笑)」

a『だから一緒に行けばいいじゃんかー』

n『女の子なんだから。
いろいろ事情があるでしょうよ。』

a『……そっか(笑)』

「ごちそうさまでした。また明日ね(笑)」

玄関の扉を開けると、残るはずの二宮くんがスニーカーをはいた。

a『帰るの？』

n『送ってく。』

そう言うと、すたすたと先を歩く。

「ねぇっ。いいよ、大丈夫だから」

彼の背中に、声をかけると、

n『送りたいんだよ。だめ？(笑)』

ふりむいて、

困った様に笑った