ハツコイー2ー (ページ15)

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a『ココアにするよ？』

現場から、ほど近くの珈琲ショップ。

もう何度も、3人で来た。

a『翔ちゃんこれにしてよ。
めっちゃかわいいヤツ(笑)』

ひゃひゃひゃって。大きな口で笑うと、
こっちまでつられて笑ってしまう様な。

彼には、そんな力がある。

丸いテーブルは、いつもあたしを迷わせる。

どのくらい、2人と距離をとればいいのか。

でもそれも。

少し前の話になってしまった。

a『さっきから黙ってるけど。
何かあったんでしょ？』

何て言えばいいのか。

ほんとに事件が起こったのか、それさえも解らないのに。

「ごめん。急に呼んで。
先生も…ごめんね」

a『いいよそんなの。友達でしょ？』

s『そんな事はいいよ。でもごめん。
俺が口出すのおかしいって分かるけど。
言ってもいい？』

a『なに？』

そう言って小さく咳払いをすると、

s『相葉さ、いいの？お前こそしんどくない？』

a『え…なに？どうゆうこと？』

s『五十嵐のこと好きなのに、そばに居るの辛くないの？ずっと二宮見てるこいつ見てて辛くないの？』

真っ白なマグカップを、大きな手で包みながら、

a『なにそれ(笑)』

って、小さく笑って。

その、作った様な笑顔が消えると、

a『知ってた。ほんとはずっと前から分かってた。まりちゃん、分かりやすいんだもん。
だけどさ、ずっとなかよしだったし。いつも3人だったし。近くにいられるなら、それでいいじゃん。わざわざ壊す必要ないじゃん』

早口でそう、まくしたてて。
それから、先生の方を見た。

a『翔ちゃんでしょ？』

s『なに？』

「………っ、」

もしかすると。彼は。

知っていたのかもしれない。

a『にのにまりちゃん取られて辛いの、
翔ちゃんでしょ？』

「あいばくん……、」

a『ごめん。言うつもりなかったんだけど。
翔ちゃんも分かりやすすぎ(笑)』

はぁーーーって、大きくため息をついた先生が、

s『その通りかもな』

って、うなだれた。

s『お前さ。いい女になれよ』

「え、な、」

s『いろんな事感じて、経験して、全部吸収しろ。すげーいい女になれ』

a『ざっくりしすぎだよ(笑)』

s『でさ。またいつか会えたら、』

そこまで言うと、

s『や。会いたくない』

「なにそれ、」

s『だってお前困るだろ。
次は本気でいくよ？(笑)』

ねぇ。

あたしも

本気だすよ