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r『やっとか』
唯一の家族である弟に、あの日のコトを話すと。
簡単にそう言った。
「なにそれ、」
r『ほんまもどかしい。
言いたいコトは言わな伝わらんのに。
言っても伝わらんコトもあるけど』
弟と言っても、血は繋がっていない。
r『おねえ。俺のコトは気にすんなよ？』
「え？」
r『もういい大人やし。
卒業したら何処に行くか分からんし。
先のコトばっか心配してたら、何もできんやろ？
自分のコトだけ考えて、今までの分も幸せにならな。おかん泣くで』
そっけないのに。
彼の言葉には、いつも。愛がある。
「廉てほんとはいくつなの(笑)」
r『ぴっちぴちのハタチや(笑)』
「あははっ(笑)」
r『おねえ』
「ん？」
r『ゆうたは大丈夫や』
だから。
何で解るの。
分かってるけど。
そんなの、自分でちゃんと分かってたけど。
それを、誰か。
例えば。
外でもない、彼が。
強く言いきってくれるコトを。
待っていたのかもしれない。
r『いややー。
あんな頼りないお兄ちゃんいややわー』
茶化しながら、でもそこにはやっぱり。
愛があるんだと思う。
・
・
・
r『じゃあな。また夏休み帰ってくるからな』
くしゃくしゃっと頭をなでると、
ほくそ笑んだ。
「何でいつも偉そうなの(笑)」
彼が、いつの間にか。
父親みたいな物言いに近づいて。
時々、はっとする。
k『廉くん。すげーありがと』
一緒に見送りにきた彼が、弟に近づいて。
そう言った。
r『どうゆう日本語なんよ(笑)』
k『だって言葉が出てこなくて(笑)
でも、マジでそう思ってるから』
r『こんなあほなおにいいややわー』
k『えっ？』
勢いよく振り向いた彼が、あたしの顔と弟の顔を往復する。
r『おねえ。しっかりせーよ』
ひらひらと手を振ると、帽子を深くして。
行ってしまった。
いつまでも、彼は弟だと思っていた。
お互いがいくつになっても、姉弟という関係は変わらないと思っていた。
けど。
いつの間にか、関係性の形が変わって。
家族。になっていたのかもしれない。
k『帰ろっか』
「うん」
ふり返ると、大きな窓から入る夕陽が眩しくて。
目を細めた
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とあ(プロフ) - ユウさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。いただいた感想を励みに更新します (2019年4月1日 14時) (
レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 物語の空気感というか時間の流れ方がとても気持ちよくて一気に引き込まれました！岸くんの後輩感と男の子感と男の人感が可愛くて優しくて素敵な作品だなと思いました！！！今後の2人がとても楽しみです！ (2019年3月31日 20時) (レス) id: 111293a5e5 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - いっくさん» ありがとうございます。気ままに更新ですが、見ていただけて嬉しいです (2019年2月12日 7時) (レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
いっく(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。岸くん大好きなので勝手にキュンキュンしちゃってます！ (2019年2月11日 8時) (レス) id: c15603ea35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とあ | 作成日時：2019年2月7日 22時
