24. ーanother sideー ページ24
閉店作業を終えたところで、店の電話が鳴った。
k『も〜誰だよ……
はいっ。港店です』
「あ、俺」
k『八田さん？お疲れ様です。
どうしたん、』
「一応報告するけど、橘が怪我した」
背中を、冷たい何かが伝う。
k『えっ、どうゆうことですか。
怪我ってなに？大丈夫なやつ？』
頭の中が混乱して、何を聞いたらいいのか解らない。
「大怪我ってわけじゃないから、大丈夫だけど。行ってやった方がいいと思って。
橘には、言うなって言われたんだけどな。
お前が知らないのもおかしいだろ」
k『………ありがとうございます。
すぐ行きます』
・
・
・
八田さんも、駅店の従業員から連絡がきて駆けつけたから、現場は見てないらしいけど。
以前から駅店に来てたお客様で、先輩によく話しかけてた奴がいて。
そいつが、強引に先輩を口説いた。
丁寧に断っていた先輩が、そいつに腕を引かれて振り払らったところ。
キレて先輩を押し倒した。
その時、腕をついて。
肘から手のひらにかけて、怪我をした。
らしい。
おい。
どこのどいつだよ。
先輩を傷つけたの。
１００倍返ししてやるよ。
・
・
・
ドアを開けた彼女が、驚いて固まった。
k『ただいま』
「……おかえり」
そう弱く言った彼女の左腕が、包帯で覆われていた。
それを見て、何なのかよく解らないイライラがこみ上げた。
「珈琲がいい？」
k『何やってんだよ』
「え？」
k『何やってんだよっ。はっきり断らないからだろ？そいつストーカーじゃん。押し倒したってなに？何なの？』
こんなこと、彼女に言ったって仕方ないのに。
言うべきじゃないのに。
分かってるのに、止まらなかった。
k『しかも？怪我したこと俺に言うなってなに？心配するから？は？当たり前じゃん。
好きな人心配して何が悪いの？
そんなに俺頼りない？信用ない？』
静かに、俺の怒りを受けとめようとしている彼女が。
ゆっくり、口を開いた。
「………ごめん、」
k『ねぇ。分かんない？』
「………、」
k『あなたより大事なものなんてないんだよ』
俺の全部を、
あなたにあげるから。
だから、早く気づいてよ。
もう、１人じゃないんだってこと
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とあ(プロフ) - ユウさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。いただいた感想を励みに更新します (2019年4月1日 14時) (
レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 物語の空気感というか時間の流れ方がとても気持ちよくて一気に引き込まれました！岸くんの後輩感と男の子感と男の人感が可愛くて優しくて素敵な作品だなと思いました！！！今後の2人がとても楽しみです！ (2019年3月31日 20時) (レス) id: 111293a5e5 (このIDを非表示/違反報告)
とあ(プロフ) - いっくさん» ありがとうございます。気ままに更新ですが、見ていただけて嬉しいです (2019年2月12日 7時) (レス) id: 86c2dc062d (このIDを非表示/違反報告)
いっく(プロフ) - いつも更新楽しみにしています。岸くん大好きなので勝手にキュンキュンしちゃってます！ (2019年2月11日 8時) (レス) id: c15603ea35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とあ | 作成日時：2019年2月7日 22時
